情報経営イノベーション専門職大学(以下、iU)は、全学に授業支援システム「schoolTakt」を導入。今後はオンラインでの協働学習や学習ログを活用した成績評価などに活用される。
■コロナ禍の中で「schoolTakt」を導入
今回、導入された株式会コードタクトの授業支援システム「schoolTakt」は、学部や研究室など一部利用だけではなく、大学全学での導入となる。iUでは2020年4月の開校からコロナ禍の影響により全面オンラインでの授業が余儀なくされてきた。オンラインのみで授業が進んでいく状況下で「イノベーションプロジェクト」の授業では、schoolTaktを活用したアクティブラーニング中心の授業が行われた。
■遠隔でも協働して取り組むことが可能
「イノベーションプロジェクト」は、学生が4年間での起業を目指し、数人のグループに分かれ、グループに与えられた課題に対してアウトプットを重ねていく授業。課題解決型の授業では授業外でのグループのコミュニケーションが重要となる。schoolTaktの共同編集モードにより、遠隔でもグループの都合の良い時間に1つの課題に協働して取り組むことができた。
■コメントを書き合うことで意見を交わす機運が醸成
また、アントレプレナーシップを育てるピアフィードバックの一環として、学生は授業と授業の間にschoolTaktを用いて振り返りと、それに対して互いにコメントを書き合うことが求められる。これにより、コミュニケーションが活発に行われ、積極的に意見を交わす機運が醸成された。また、振り返りやコメントの内容も、一人で作業を進めるだけでは育たない自己肯定感や自己効力感が読み取れるものとなった。
■グループワーク中心の授業に変化
schoolTaktでは、授業見学をしなくても、他の教員が作成した課題やそれに対する学生の回答・コメント等を教員同士で参照しあうこと、共有することが簡単にできる。他の教員の課題を積極的に見にいくことを推奨したところ、講義中心からグループワーク中心の授業構成へと教え方を考え直し、アップデートする教員が増加。教員同士の学び合いに繋がった。
■学習ログを利用して発言状況を定量化
schoolTaktでは学習ログとして課題の提出状況のダウンロードや、発言マップの取得が可能。発言マップとは、授業や課題内のコメント、いいね、閲覧数の履歴が可視化される。また、CSVデータとしてダウンロードすることもできる。これにより、誰が誰の回答にコメントをしたか、いいねを送ったかという履歴を定量化し、授業評価とすることが可能となった。「イノベーションプロジェクト」ではグループワークへの参加度が重要視されるため、この学習ログを利用して、発言状況を定量化し、授業評価を実施した。
■今後はグループへの貢献度を評価する予定
「イノベーションプロジェクト」の授業ではschoolTaktが欠かせないものとなっており、現在もオンライン中心の授業が行われている。今後、コードタクトではiUと協働し、コメントした数だけでなく、コメントの内容や関わり方から、グループへの貢献度を評価できる仕組みについて、検討・実証を行っていく予定。