一般財団法人 日本視聴覚教育協会による、平成30年度全国自作視聴覚教材コンクールの入賞作品が決定しました。学習内容が多様化した今日、個々の学習者の実体に対応するきめ細かい教材や、地域の歴史・文化・伝統などについて組織的に収拾整理、構成された教材など、地域に根ざした学習のための教材が必要とされており、視聴覚教材の自作と活用は、ますます身近なものとなっています。
このコンクールでは、制作技法の優劣のみを問うのではなく、なぜその教材が必要とされるのか、具体的な利用方法まで含めて審査されます。そうすることで、学習の場で実際に役立ち、他の学校や地域等での自作教材の企画制作・活用にも役立つ自作活動を推進し、顕彰を通してその制作奨励と内容の充実に寄与することを目指しています。
今年度の文部科学大臣賞(最優秀賞)は、小学校部門(幼稚園及び保育所を含む)では、福岡 隆氏による映像教材、「虫の口〜その形とはたらき」、中学校部門では岡崎市視聴覚ライブラリー・おかざき映像教材研究会D班による映像教材、「きみは大気圧をイメージできるか〜その変化にともなう現象からせまる〜」でした。高等学校部門、社会教育部門では文部科学大臣賞の該当作品なしという結果でした。
コンクールの応募資格は、学校教職員、指導主事、教員養成大学・学部・大学院に在籍する学生、または教職課程履修の学生、社会教育主事、公民館主事。視聴覚センター・ライブラリー等の職員、その他視聴覚教材を製作することを職業とする個人又は団体は除く方々となっています。
応募作品、受賞者の中には地域の伝統に関わる団体や、また高等学校部門では高校の部活動として参加している団体もありました。社会教育部門では、その地域で大切に語り継がれてきた物語や伝説に関するもの、地域行事についてまとめられたものが数多くある中、優秀賞に選ばれた、稚内北星学園大学 地域医療プロジェクトによる映像教材、「地域医療は、地域が守る。」は、多くの地方の町や集落が抱える問題について取り上げていました。
きめ細かい教育やICT推進の流れの中、視聴覚教材は今後、教育にとって重要なものとなるでしょう。優れた作品を取り上げることでそれを全国で共有できたり、さらなるアイデアのヒントになるといいですね。