多様なアイデアを形にした、学生向けものづくりハッカソン「Discovery Hackathon 2020」が、2020年9月26日(土)・27日(日)に開催された。厳正な審査の結果、最優秀賞にはチーム「くりらぼ」、優秀賞にはチーム「ウミガメ」が選ばれた。
■「『あたりまえ』をハックせよ」をテーマにチャレンジ
「Discovery Hackathon 2020」はディスカバリー・ジャパン合同会社と株式会社ダイフクの共同で開催。2 回目となる今回は「『あたりまえ』をハックせよ」をテーマに掲げ、「Distance(距離のあたりまえ)」「Use(使い方のあたりまえ)」「Mix(構成要素のあたりまえ)」の3つのキーワードから、ニューノーマル(新常態)における新たなサービスやプロトタイプの開発にチャレンジした。
■総勢109名の学生が応募
理工系学生を中心とする全国の大学院・大学・高等専門学校の学生総勢 109 名の応募の中から抽選で選ばれた 15 チーム 60 名が出場。ニューノーマル時代を見据えたものづくり開発が行われ、合計 15 点の新しいプロトタイプが誕生した。
■自分を第三者の視点から見られる装置が最優秀賞に
最優秀賞のチーム「くりらぼ」は、現実世界で動く自分を第三者の視点から見ることで非日常感覚を体験できる装置を開発。優秀賞のチーム「ウミガメ」は、ネット上で他人の評価に惑わされずに自分の好きな本との新しい出会い方ができる装置を開発した。
■特別賞にも斬新なアイデアの作品が
また特別賞には、手首の角度をセンサーで感知してこまめに消毒することができる「腕時計型消毒銃」、花弁が散る動作で店の閉店情報を知らせてくれるサービス、オンライン授業となった教育現場で新たに友達と出会えるアプリなど、斬新なアイデアが選出された。
<審査基準>
1テーマとの親和性
・“あたりまえをハックせよ”のテーマにあった作品である
・COVID-19 によって、大きく変容する日々のあたりまえをテクノロジーによってチャレンジする作品であるか
2新しさ
・問い立て・着想・アイデアは斬新であるか
・驚きや感動を生むアイデアであるか
3熱量
・オンラインハッカソンらしいチームワークができているか
・制作プロセスが設計されているか
・学生の姿勢に情熱は感じられるか
4実現可能性
・既存のデバイスなどをうまくつかっているか
・技術的観点からみたときに実現可能性が高いか
<最優秀賞 チーム「くりらぼ」>
チーム「くりらぼ」が開発したのは、現実世界をゲームのような非日常感覚を体験できる装置。五感の中でも特に視覚の拡張を意識し、ゲームでの 3 人称視点を現実世界で味わうことできる新感覚システム。今回は、風船を銃で撃ち落とすシステムを作ったが、今後はサッカーなどのスポーツ分野などでも応用したいとの想いが込められている。
最優秀賞 学生コメント
「参加するにあたり、一人ひとりが達成感を得られるハッカソンになればいいなと思っていましたが、まさか最優秀賞を頂けるとは思っていなかったので、本当にうれしいです」
<優秀賞 チーム「ウミガメ」>
チーム「ウミガメ」はオンラインでの本との出会いで、他人のつけた口コミの評価が第一印象で入り込んでしまう“当たり前”に着目。EC サイトにとらわれずにデジタルを活用したより自然で新しい本との出会い方を生む「降る本屋」を開発した。センサー付きプロジェクター型の透明な板を窓に設置すると、外の景色を背景にガラス上に本の書き出しが次々と浮かび上がってくる。「降る本屋」は、バスの窓や図書館・本屋の窓も本の閲覧・商品購入機会につながるサービスにしたいとの想いが込められている。
優秀賞 学生コメント
「メンバーに誘われて、今回協力しながら課題を乗り越え、プロトタイプを実現できたのはとても嬉しく思います。参加してよかったです。またこういった機会があったら参加したいと思いました」
Discovery Hackathon 2020