教育データの標準化とデータ連携の具体的取組が始まっている。第2回 教育データの利活用に関する有識者会議(座長=堀田龍也・東北大学大学院教授)が10月19日、開催され、教育データの標準化と利活用について討議した。学校教員統計調査、学校保健統計調査、地方教育費調査もオンライン化して共通項目は入力しなくても良いようにするなど調査業務の効率化を図る。校務支援システムと感染症情報システムの連携も準備。
文部科学省では、児童生徒1人ひとりの情報をデータ化し、学習の進捗状況や健康情報、各地区の感染症等の状況を把握できる仕組みの構築に取り組んでいる。
学校教員統計調査、学校保健統計調査、地方教育費調査については、⼀部の学校種を除き紙媒体の調査票の⼀律配布を廃⽌。統計調査のオンライン化を推進する考えだ。各種調査のオンライン回答画面のレイアウトも分かりやすいものに⾒直す。
■「教育データ標準」(第1版)を公表
データの利活用のためにはデータの標準化が必要だ。初等中等教育局 学びの先端技術活用推進室は「学習指導要領コード」を「教育データ標準」(第1版)として10月16日に公表した。これは、小・中・高等学校の最新版の学習指導要領分。11月には前回改訂版の学習指導要領分を、12月には幼稚園・特別支援学校の最新版と前回改訂版の学習指導要領分のコードを公表予定。学校コードなど統計で活用できるデータや学校健診情報などに関するデータの標準化について、来年春を目途に「第2版」として公表できるよう検討を進めている。
「学校コード」はこれまでとは異なる新しいもので、12月までに完成・公開。新しい学校コードにより、学校種別などを自動的に、各調査項目の回答に反映する予定。
次年度概算要求で実証を予定している「オンライン学習システム(CBTシステム)の全国展開、先端技術・教育データの利活用推進」では、標準化されたデータを活用できるようにする。
■感染症情報システムと校務支援システムを連携
学校保健データについては、学校の校務支援システムに入力されている児童生徒の情報を本人(保護者)はじめ、関係者で利活用できる仕組みを用意する。
2022年度概算要求している「学校等欠席者・感染症情報システムと統合型校務支援システムとの連携事業」では、感染症情報システムと校務支援システムを連携し、国が集団感染の状況を早期に把握できるようにし、感染症等拡大について早期に探知・対策できるようにする。約1000自治体・民間事業者8社程度を想定。