文部科学省が、子どもの読書活動推進に関する有識者会議における論点まとめを公表しました。
文部科学省では、子どもの読書活動の推進に関する法律に基づき、おおむね5年に一度、子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画を策定しています。平成25年5月に行われた現行基本計画策定から5年目の年となる今年度は、子どもの読書活動推進に関する有識者会議を設置し、次期基本計画の策定に向け、子どもの読書活動の更なる推進方策について検討を進めてた論点まとめを取りまとめたものです。
子どもの読書活動に係る現状としては、社会構造、雇用環境の急激な変化から、予測困難な時代への対応が求められますが、情報化社会の進展から、多様な情報へのアクセスが容易化する一方、視覚的な情報と言葉の結び付きの希薄化がみられることから、精査した情報を基に自分の考えを形成し表現するなどの「新しい時代に必要となる資質・能力」の育成に資する読書活動の重要性が高まっています。
課題としては、不読率の改善を図る必要があります。高校生の不読率については、改善傾向にあるものの、目標達成には遠い状況です。読書を行っていない高校生は、中学生までに読書習慣が形成されていない者と、高校生になって読書の関心度合いが低くなり本から遠ざかっている者に大別されると考えられることから、発達段階に応じた取組による読書習慣の形成、読書への関心を高める取組の充実が必要です。また、スマートフォンの普及等による子どもの読書環境への影響の可能性も考えられることから、実態把握・分析等を行う必要があります。
具体的な取組としては、国、都道府県、市町村には、計画策定・見直しを引き続き進め、学校・図書館・民間団体・民間企業等、様々な機関と連携し、各種取組を充実・促進させます。
読書習慣の形成に向けた、発達段階ごとの効果的な取組や友人同士で本を薦め合うなど、 読書への関心を高める取組の充実、民間団体やボランティアの取組の周知による、ネットワークの構築、情報交流や合同研修等の促進が考えられています。学校・図書館・民間団体・民間企業等、様々な機関と連携し、各種取組の充実・促進が求められます。