株式会社イー・ラーニング研究所が行った、金融教育に関する調査によると、子どもの保護者のうち90%以上が、小学生からの金融教育の必要性を感じています。また、74%の保護者が「将来の子どものお金の使い方に不安を感じる」と答えており、子どもの「お金に関する知識」をつけさせる教育ニーズが高まっているようです。
お金の使い方に不安を感じる理由のひとつに、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、目に見えないお金の動きが一般化されていることがあります。スーパーやコンビニでも多くの店舗でクレジットカード、電子マネーが利用できる昨今、子どもたちにおいても、交通系ICカードなど現金以外でお金を使うことがあるか、という質問に対して、「はい」が58%と半数を超えていました。
しかし日本の教育では金融教育に余り時間を割いていません。他の教科、単元に時間が必要、専門知識を持っている教員がいない、といった理由の他に、子どもがお金のことに関わることにはタブー観があるようです。とはいえ、今後必ずお金やお金の流れに関する知識や判断力、いわゆる「金融リテラシー」は必要になります。では、他国の金融教育事情はどのようになっているでしょうか。
イギリスは「金融リテラシー発祥の国」と言われており、金融教育に力をいれている国の一つと言えます。金融教育を行う教師のサポートを国が行う、子ども信託基金を設立し、学校授業での活用を行うなどしています。アメリカでは全国統一的な教育カリキュラムがなく、各州の方針によって決められています。お金を稼ぐ、守る、貯蓄・投資する、使う、借りるための知識「パーソナル・ファイナンス」について、ゲームで学ぶ事が多いようです。
保護者世代が金融教育の必要性を感じるのには、自分たちが金融について知らずに育ち、大人になってから「もっと早く学びたかった」という思いがあるのかもしれません。一方で現代では学校だけでなく、学外の教室やイベント、インターネットサイトで学ぶこともできます。避けては通れないお金のこと、大人も学び直すつもりで、子どもと一緒に勉強してみるのもいいかもしれませんね。