国立情報学研究所(NII)は今年で設立20周年を迎えた。これを記念して12月3日(木)に記念式典・記念講演会を、翌4日(金)に記念フォーラムをオンラインで開催する。記念フォーラムでは5つのセッションが展開される。
■セッション1では次世代学術情報基盤のあり方について議論
記念フォーラムのセッション1「教育研究からみた次期SINETへの期待~オンライン教育、GIGAスクール、Society5.0~」では、GIGAスクール構想やオンライン教育、またSociety 5.0の推進に必要な次世代学術情報基盤のあり方について、次期SINETへの期待も含めてパネル形式で議論する。
■セッション2はデータ共有活動を「データガバナンス」という観点から俯瞰
セッション2「国家・学術・民間からみるデータ共有のあり方」では、各パネリストが推進するデータ共有活動を「データガバナンス」という観点から俯瞰し、これからのデータ共有社会に必要な仕組みや機能について、その将来像を議論する。
■セッション3はデータ蓄積・解析基盤への期待などを議論
日本社会における未曾有の少子高齢化と経験豊かな専門医の不足は、医療サービスの質を維持する上で大きな課題となっている。国立情報学研究所 は、この課題を情報学の観点から解決するために、2017年11月に医療ビッグデータ研究センター (RCMB) を設置した。セッション3の医療ビッグデータ「医療画像データ蓄積・解析基盤」では、実際に医療現場に携わる人たちを迎え、データ蓄積・解析基盤への期待や今後の医療支援AIの可能性などについて議論する。
■セッション4は今後の大学図書館の変容が語られる
セッション4「パンデミック後の大学図書館がNIIに期待するもの」では、コロナ禍の大学で課題解決に注力してきた大学図書館長を迎え、大学や図書館がどのように対応してきたかを振り返りながら、今後の大学図書館の変容について語られる。また、大学図書館がこれからのNIIに求める課題や役割についても語る。
■セッション5はこれからの産学連携活動の在り方を討議
セッション5 CRIS 「頑強な知識基盤と課題解決型技術」では、CRISセンター長を兼務するNIIの喜連川所長のモデレートにより、LINE株式会社の江口清貴執行役員と、CRISの支援を受けてNIIおよびLINE株式会社と共同研究を実施している京都大学の河原達也教授をパネリストに迎え、これからの産学連携活動の在り方や、革新的技術のシーズ創出について語られる。
<イベント概要>
日時:
12月3日(木) 13:30~18:10 [記念式典・記念講演会]
12月4日(金) 11:00〜17:00 [記念フォーラム]
会場:オンライン配信
対象:一般・招待者
参加費:無料、要申込み
申し込み:以下の申込みフォームから登録
<プログラム 記念式典・記念講演会>
12月3日(木)司会:安達 淳 国立情報学研究所 副所長
記念式典
13:30~13:35 挨拶 喜連川優 国立情報学研究所長
13:35~13:40 挨拶 藤井良一 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構長
13:40~13:45 来賓祝辞 杉野剛 文部科学省研究振興局長
13:45~13:55 来賓祝辞 西尾章治郎 国立大学法人大阪大学総長
13:55~14:00 来賓祝辞 山内正則 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構長
14:00~14:05 来賓祝辞 深澤良彰 早稲田大学 前図書館長・理工学術院教授/一般社団法人大学ICT 推進協議会会長
14:05~14:10 休憩
記念講演会
14:10~14:50 講演1「ポストコロナ時代における『科学技術・イノベーション政策』を問う」上山隆大 総合科学技術・イノベーション会議議員
14:50~15:00 休憩
15:00~15:40 講演2「社会の未来を考える」澤田純 日本電信電話株式会社(NTT)代表取締役社長
15:40~16:00 休憩
16:00~17:20 パネルディスカッション「コロナ禍真っ最中におけるデジタルとは?そして これからのNIIに期待される役割」
上山 隆大 総合科学技術・イノベーション会議議員
澁谷直樹 NTT 代表取締役副社長
勝栄二郎 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)代表取締役社長
髙橋誠 KDDI株式会社 代表取締役社長
出澤剛 LINE株式会社 代表取締役社長
喜連川優 国立情報学研究所長
17:20~17:30 休憩
17:30~18:00 特別講演「Society5.0の実現に向けた国立情報学研究所への期待」
五神 真 国立大学法人東京大学総長
18:00~18:10 謝辞 喜連川優 国立情報学研究所長
18:10 閉会
<プログラム 記念フォーラム>
記念フォーラム 11:00 -17:00(予定)
11:00〜11:55 セッション1
「教育研究からみた次期SINETへの期待〜オンライン教育、GIGAスクール、Society 5.0〜」
モデレータ:
合田 憲人 国立情報学研究所 アーキテクチャ科学研究系 教授/学術基盤推進部長/クラウド基盤研究開発センター長
パネリスト:
田浦 健次朗 東京大学情報基盤センター長・教授
下條 真司 大阪大学サイバーメディアセンター長・教授
福田 秀幸 シスコシステムズ合同会社 公共・法人システムズエンジニアリング 西日本システムズエンジニアリング第二SEマネージャー
藪上 憲二 姫路市教育委員会学校教育部総合教育センター教育研修課主任
白木 義宏 旭川市経済部企業立地課長
漆谷 重雄 国立情報学研究所副所長
13:00〜13:55 セッション2
「国家・学術・民間からみるデータ共有のあり方」
モデレータ:
山地 一禎 国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 教授/オープンサイエンス基盤研究センター長
パネリスト:
赤池 伸一 内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付参事官(統合戦略)
金 度亨 内閣府SIPスマート物流サービス管理法人(国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所 ) プロジェクトマネージャー
大山 敬三 国立情報学研究所 副所長
常川 真央 国立情報学研究所オープンサイエンス基盤研究センター特任助教
14:00〜14:55 セッション3
医療ビッグデータ 「医療画像データ蓄積・解析基盤」
モデレータ:
佐藤 真一 国立情報学研究所コンテンツ科学研究系 教授/医療ビッグデータ研究センター長
パネリスト:
八木 康史 大阪大学産業科学研究所・教授
明石 敏昭 順天堂大学放射線診断学講座 准教授
吉澤 明彦 京都大学病院 病理診断科/総合解剖センター 准教授
森 健策 名古屋大学 教授・情報基盤センター長・情報連携統括本部情報戦略室長/国立情報学研究所医療ビッグデータ研究センター 客員教授
15:00〜15:55 セッション4
「パンデミック後の大学図書館がNIIに期待するもの」
モデレータ:
相澤 彰子 国立情報学研究所 副所長
パネリスト:
大隅 典子 東北大学副学長・附属図書館長・大学院医学系研究科教授
竹内 比呂也 千葉大学副学長・附属図書館長・アカデミック・リンク・センター長・人文科学研究院教授
引原 隆士 京都大学図書館機構長・附属図書館長・大学院工学研究科教授
16:00〜16:55 セッション5
CRIS 「頑強な知識基盤と課題解決型技術」
モデレータ:
喜連川優 国立情報学研究所長/ロバストインテリジェンス・ソーシャルテクノロジー研究センター長
パネリスト:
江口 清貴 LINE株式会社 執行役員
河原 達也 京都大学大学院情報学研究科 研究科長・教授