北海道大学は、アドビ株式会社との共同研究で、デジタルリテラシーの向上を通じて、創造的問題解決能力の育成を目指すオープン教材を開発。このほど第1弾を公開した。
■大学初年次教育でデジタルリテラシーを教授
今回、開発されたオープン教材は、大学初年次教育を対象に、創造的問題解決力を根底から支える技術の一つとしてデジタルリテラシーを教授する。
■第1弾として第2章の3単元を公開
オープン教材は、デジタルツールを活用した制作活動を通してデジタルリテラシーを身につける全3章10単元から成り立っている。今回公開されたのは、このうち第2章にあたる3単元となる。
第2章:デジタルプロダクトの読解
2-1 デジタルプロダクトの機能
https://spark.adobe.com/page/KOMwLnnHrw2t3/
2-2 デジタルプロダクトの観察
https://spark.adobe.com/page/uxNmLGKZzZuMW/
2-3 デジタルプロダクトの評価
https://spark.adobe.com/page/V2Rq71zGYcC5i/
■教育機関が無料で利用できるAdobe Sparkで提供
オープン教材は、教育機関が無料で利用できるAdobe Sparkで提供。教育者および学習者が自由に活用できるため、教育者のデジタルリテラシー教育に即座に利用できると同時に学生の自律学習に役立てることもできる。
■「大学生のためのデジタルリテラシー入門」でオープン教材を活用
開発したオープン教材は、2020年7月に北海道大学の初年時向け授業「大学生のためのデジタルリテラシー入門」の教材として活用された。今後は連携大学での利用や、オープン教材をもとにした公開オンライン講座の開講も計画中。
■2021年度にオンライン講座を開講予定
2021年度には開発したオープン教材を用いたMOOC(大規模公開オンライン講座)の開講と、Adobe Education Exchangeでのオンライン講座の開講を予定している。
■日本教育工学会2020年秋季全国大会で共同研究成果を発表
なお、共同研究成果については、北海道大学オープンエデュケーションセンター・田中宏明博士研究員が、9月12日・13日開催の日本教育工学会2020年秋季全国大会にて発表を行う予定。
<オープン教材 概要>
デザイン思考のプロセスに対応した読解・設計・制作のステップ毎に学習できる。
「第1章. はじめに」では、教材の使い方や学び方について理解。
「第2章. デジタルプロダクトの読解」では、デジタルプロダクトと人との接点に生まれる相互作用を観察・分析・評価する観点を学ぶ。
「第3章. デジタルプロダクトの設計」では、デザイン思考を活用して探究的な課題解決に取り組む方法を学習。
「第4章. デジタルプロダクトの制作」では、ビジュアル表現やデジタルツールを活用してコミュニケーションを強化する方法を学んでいく。
<オープン教材のテーマリスト>
第1章. はじめに
第2章. デジタルプロダクトの読解
2-1. デジタルプロダクトの機能
2-2. デジタルプロダクトの観察
2-3. デジタルプロダクトの評価
第3章. デジタルプロダクトの設計(デザイン)
3-1. デザインとは何か
3-2. 解決すべき課題を見つける
3-3. 表現の方向性を定める
第4章. デジタルプロダクトの制作
4-1. デジタル表現とソフトウェア
4-2. デジタル制作技術の要点
4-3. デジタルデータを最適な形式で出力する