入管法が改正され、外国人労働者の受け入れ拡大に伴って、在留外国人がさらに増加することが見込まれています。しかし、自治体窓口では様々な言語に対応するスキルやシステムが不足しており、また学校現場においては、保護者との面談や生徒とのコミュニケーションにおける言葉の壁が大きな問題になっています。
「Voice Biz(R)」は、凸版印刷が提供する、多言語コミュニケーションを支援する音声翻訳サービスです。スマートフォンやタブレット用の専用アプリに音声やテキストを入力すると、30か国語の中から選択した言語に自動で翻訳し、音声やテキストを出力します。「Voice Biz(R)」は8つの自治体・学校に採用され、2019年4月より順次導入されています。
特に今後急増するとみられる訪日外国人や外国人労働者などとの多言語コミュニケーションを支援するため、自治体向けに作成した固有名詞、定型文には、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の委託事業の成果を反映しました。「外国人技能実習生総合保険」のような、専門用語も正しく翻訳することが可能になっています。また学校向けには、宇都宮大学国際学部、若林秀樹客員准教授の監修のもと、学校生活で使える固有名詞、定型文を登録しました。家庭訪問や三者面談など、様々なシーンでのコミュニケーションに活用することが可能です。
2019年5月現在、音声翻訳で選択できる言語は、英語、中国語(普通語)、韓国語をはじめとする11言語で、テキスト翻訳で選択できる言語は音声できる翻訳言語に、ロシア語、トルコ語などを加えた30言語です。これらの言語を端末に向かって話しかける、またはテキストを入力すれば選択した言語で翻訳ができます。また、定型文ボタンを押すことであらかじめ登録された利用頻度の高いフレーズを呼び出すことができ、音声やテキストを入力する手間が省けます。
学校向けの定型文には「授業中の短い指示」「日課を伝える」「給食の時間」さらに「保護者に伝えたいこと」といった項目があります。こうしたサービスで、学校になじめない子ども、学校とのやりとりを嫌がる保護者が減ってくれたらうれしいですね。