文部科学省では、公立学校施設における木材の利用状況について調査を実施しています。調査項目は、木造施設の整備状況及び非木造施設における内装木質化の状況と、木の学校の木材使用量です。この調査は学校施設への木材利用が学校運営や地域との繋がりなどにおいて効果や意義があると考えられることから、文部科学省の木材利用推進の取り組みの一環として行われているものです。
調査の結果、平成29年度に新しく建築された学校施設886棟のうち、592棟(66.8%)で木材を使用していました。うち、木造施設は204棟(23.0%)、非木造施設のうち内装木質化を実施した施設が388棟(43.8%)でした。そして整備された学校施設では56,365立方メートルの木材が使用され、そのうち20,169立方メートル(35.8%)が木造施設で、36,196立方メートル(64.2%)が非木造施設の内装木質化などにおいて使用されました。
文部科学省の木材利用推進の主な取り組みとしては、下記のようなものがあります。
・木造校舎の整備や内装の木質化に対する国庫補助
・木の学校づくり先導事業の実施
・木材を活用した学校施設に関する講習会の開催
・学校施設へ木材を活用するための手引き書及びパンフレットの作成・配布
・木造校舎の構造設計標準(JIS A 3301)の改正
・木材利用促進に関する通知の発出
木造または木質内装の校舎や教室は、柔らかで温かみのある感触で、豊かで快適な学習環境が形成されます。また地域材や地場の職人の技術の活用による、地域経済の活性化や地場産業の振興が期待されます。実際に木材を利用して整備された学校施設の写真を見ると、木材が自然光や照明の光をやわらかく反射していて、とても居心地が良さそうです。通う子どもたちにとっても、自慢の校舎、自慢の学校になりそうですね。