日本財団は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校の長期化を受け、「学校教育と9月入学」をテーマに、第26回目の18歳意識調査を5月下旬に実施しました。
「休校でもっとも困ったこと」は「学業」の37.4%が最多で、「友達とのコミュニケーション」の20.3%、「受験や進学・就職」の17.8%が続きました。「9月入学の導入」については、賛成が38%、反対が31%となっています。
同調査は、5月26日~5月28日に、全国の17歳~19歳の男女 1000人を対象にインターネットで実施。長引いた休校を受け、58.6%が教育格差を感じていました。自由記述の回答では、「宿題も少ないし、オンライン授業もなく、他校との差を感じた」「教えてくれる大人(親)が常にいるかいないかの差は大きいと思う」「ネット環境はすべての生徒にはない」などの声も寄せられました。
学習遅れの打開策としては、52.5%が「オンライン授業を増やす」を回答。感染拡大の第二波で再度休校が行われた場合の対策についても、「オンライン授業の導入」の50.8%が最多の回答数となりました。
また、インターハイや甲子園など、中止が相次いだ部活動の大会については、68.3%が「何らかの形で開催すべき」と回答しています。自由記述の回答では、「これまで一生懸命やってきたのになくなるとなると、悔しい」「今まで頑張ってきたのに何もせず終わるのは嫌だ」といった当事者としての声のほか、「人を極力減らして、感染予防を徹底すれば開催は可能だと思う」など、新型コロナウイルス感染対策を行った上で実施すべきという意見も挙がっています。
「9月入学の導入」について、賛成している回答で最も多かった理由は81.3%の「休校による授業の遅れを取り戻せる」でした。一方、反対している回答で最多だったのは55.4%の「入学試験に影響する」が挙げられました。
再度休校が行われた場合の学習時間等の確保については、「オンライン授業の導入と整備」が50.8%で最多の回答となりました。取り入れるべき教育制度についても、22.9%の回答者が「得意科目を伸ばすようなカリキュラムの導入」と答えています。
このほか、「コロナ禍を経て、学校教育はどのように変わるべきか」という質問についても、「教員の賃金上昇を図り、ITなどを活用した授業を展開する必要がある」「どんなときでも授業を受けられるような災害時にも対応できる仕組みを導入すべき」など、様々な回答が集まっています。