東京都福祉保健局作成の「児童相談体制の強化に向けた緊急対策について」が公開されています。
都の児童相談所における虐待相談の対応件数は、平成29年度は13,707件と過去最多となっています。
都内で、虐待により幼い命が奪われる痛ましい事件も発生していることもあり、現在、児童虐待の防止に向けた取組が急務となっています。
こうしたことを踏まえ、東京都では全庁横断的なプロジェクトチームを立ち上げ、児童相談体制の強化に向け、全庁一丸となって今後の取組についての検討を進めてきました。このたび、緊急対策としてとりまとめられたものが、「児童相談体制の強化に向けた緊急対策について」です。
対策の内容としては5項目あります。
1 児童相談所の体制強化
2 LINE相談の実施
3 警視庁との情報共有範囲の拡大
4 安全確認行動指針の策定
5 全庁一丸となった虐待防止対策の推進
まず、1の「児童相談所の体制強化」では、年内に任期付職員採用制度を活用し、児童福祉司・児童心理司を緊急に確保すること、そして、年内に児童福祉司や一時保護所職員の業務を補助する非常勤職員を増員することが掲げられています。
2の「LINE相談の実施」は、現在実施されている、匿名で気軽に相談できる電話相談等に加え、子どもや保護者がより相談しやすい窓口として、LINEによる相談をトライアルで実施するというもので、平成30年6月29日にLINE株式会社と連携協定の締結が済んでおり、第一回目の実施概要も公表されています。
5の「全庁一丸となった虐待防止対策」の内容は、「児童虐待の未然防止・早期発見に係る取組」や「『虐待に気づくためのチェックリスト』を作成・配布し、都庁全職員及び関係機関等に虐待が疑われる場合の通告について周知(全局)」、「都立病院の医療スタッフによる育児相談、医療機関のネットワークを活用した虐待を早期発見するためのノウハウの共有化(病院経営本部)」というように、具体的な内容となっています。