旺文社が、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、各高等学校の現状と教員の取り組みや課題などについて、緊急アンケートを実施しました。対象は、全国の高等学校教員の内、「旺文社 高大コネクトサービス」会員の教員です。
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、2020年3月以降、多くの高等学校が休校となりました。オンライン学習の導入状況は、「休校前から実施」が1割程度(12.2%)だったものの、7割以上(72.5%)が「休校後に実施」「今後実施予定」となり、全体の8割が実施と回答。しかし、事前の準備にかかる時間は4人に1人(25.1%)の教員が「4時間以上」と答え、多くの学校がオンライン化の対応を急速に進めている一方で、現場の先生の負担の大きさがうかがえる結果となりました。
オンライン学習を導入している教員に調査したところ、オンラインを実施しているシーンは、「課題配信・授業」が90.0%で最も多く、次いで「授業」75.4%、「生徒面談」49.6%でした。
オンラインで授業・課題作成を行う際、準備に使う時間は「4時間以上」が25.1%と解答。オンラインツール導入により、教員の負担増がうかがえる結果となりました。
オンライン学習においての課題は、「ネット環境」88.8%、「教員のICT対応スキル」80.4%、「生徒のモチベーション」64.7%で、多様な課題に直面していることがわかります。
今後の進路指導で不安なことは、「共通テスト」76.6%、「組合型選抜」73.2%、「学校推薦型」67.8%の回答。大学入試制度の改革による新入試実施初年度で例年以上の緊張感が高まっていたなか、さらにコロナ禍による混乱のため、進路指導についての不安が増大したと考えられます。
休校期間が長引いている状況から、夏休みを授業時間にあてることは、91.7%が「想定している」と回答。休校により、このままでは十分な指導時間が確保できない状況であると考えられます。コロナ禍の影響は学校現場に大きく長く続きそうです。