文部科学省が、令和元年度「教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査」の結果を公表しました。
調査は、平成28年度から実施している「教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査」を抜本的に見直し、各教育委員会や学校における働き方改革の進捗状況を明確にし、市区町村別の公表等や優良事例の展開を通じて、働き方改革の取組を促すことを目的としています。
「教職員の勤務実態の把握」、「各取組の実施状況」、「学校における取組好事例」、「国への要望事項」の項目について、各教育委員会が所管している学校に対する取組状況について回答しています。
「教職員の勤務実態の把握」について、ICカードやタイムカード等の記録による客観的な方法での勤務実態の把握は、都道府県は66.0%、政令市は75%まで伸びる 一方、市区町村は47.4%に留まっていて、地域差が出ている状況です。
「各取組の実施状況」については、推進体制や枠組みの整備状況、勤務時間の適正化に向けた取組状況、専門スタッフ・外部人材の活用状況、業務の効率化・平準化に向けた取組状況、業務の削減・精選に向けた取組状況等の5つの分野の50の具体の取組の実施状況を調査。実施済みの取組が40以上の教育委員会は、人口規模が大きい自治体が多く、取組が5以下の教育委員会は、人口規模が小さい自治体が多い傾向でした。
在校時間等の縮減効果が大きいと考える取組は、「部活動ガイドラインの実効性の担保」「学校閉庁日・留守番電話の設定」「外部人材の活用」など。部活動ガイドラインの実効性の担保するための取組は、高い割合で進んでいます。学校閉庁日の設定は、全国的に導入が広がっている状況です。部活動への外部人材の参画は、「部活動指導員」をはじめ、自治体独自の外部指導者やボランティアなど、都道府県・政令市はほぼ全県市において、市区町村も65.2%において、部活動への多様な外部人材の参画が進んでいます。
今年度の調査から、教育委員会が学校における好事例を幅広く公表。今後もこれらの情報を継続的に発信し、進捗状況などをフォローアップするとともに、好事例の横展開を図り、働き方改革の自走サイクルの構築を図っていきます。
国への要望事項として多かったものは、「教職員定数の改善」「外部人材の配置の拡充等」「ICT環境整備のための予算補助」「部活動の在り方の見直し」「教育課程の取扱いの見直し」「教員免許川更新制度の見直し」「学校向けの調査の削減」でした。国としては、国に対する主な要望事項に対して、予算、制度、学校・教育委員会における取組など、総合的に進めていきます。