海外留学、語学教育、教育旅行事業などを展開するイー・エフ・エデュケーション・ファースト株式会社(EF)は、世界100か国・地域、230万人の英語テストビッグデータを活用した、英語能力のベンチマーク、「EF EPI英語能力指数2019年版」を公開しました。
EF EPI英語能力指数(EF English Proficiency Index)は、」EFが公開・提供する無料のオンライン英語能力測定テストEF SETの前年度受験データをもとに、非英語圏の国と地域における英語能力を経年的に計測・追跡するためのベンチマークとして毎年発表しているものです。指数(EF EPIスコア)の世界ランキングと、指数分布をもとに全参加国の英語レベルを5段階に分けた英語能力レベル、EPI指数と外部指標の比較や国・地域別動向をまとめた分析レポートから構成されており、2011年の初版以降これまでに8版が公開されています。
2019年版レポートによると、2011年、全44か国中14位であった日本の順位は9年連続で下落しています。最新版では、全100加工中53位となっており、EF EPIスコアは54.17「標準的な英語能力」であったのが51.51「低い英語能力」となりました。この結果の要因は参加国・地域の拡大で、受験者数が増えているとともに順位が下落しているのです。
その受験者数は、前年より77%アップの230万人、調査対象国・地域はアジア、アフリカ地域を中心に調査対象が12か国増え、総参加国は100ヵ国・地域に拡大しています。前年比でEF EPIスコアが2ポイント以上上昇した国は11か国に上る一方、大幅な下落は4か国にとどまりました。「非常に高い英語レベル」に位置付けられた国は過去最多の14ヵ国となり、世界全体の英語能力は引き続き上昇傾向にあることが見てとれました。
また、関連する35万人の学生の受験データをもとに分析、公開された学校向けレポート「EP EPI-s」では、リーディングスキルよりもリスニングスキルが先行して上達する傾向にあり、年齢が上がるにつれてその差は顕著になっていきます。13歳までの英語能力に大きな差はないものの、14~15歳の2年間の伸びに大きな差が見られ、16歳までにCEFR B1以上を達成している学生はその後も継続して英語能力が伸びる傾向にあり、逆に16歳以降に低い英語レベルを脱却しより高いレベルに達成する生徒の数はかなり少なくなります。
日本で多くの人が実感しており、また問題視されているのが、学校で英語を学んでも実践的に使うことができないことではないでしょうか。今回のレポートはそれが如実に表されているとも言えます。2020年から学校の英語教育が変わりますが、ここから日本における英語レベルが上昇していくか、期待と共に見ていきたいですね。