国立教育政策研究所が、全国の小中学校の不登校児童生徒への取組の点検・見直しを促すための資料をWebに掲載しました。教育委員会指導主事が、地域全体や各校の不登校の状況を把握した上で、必要に応じて各校に点検・見直しすべき点を指導助言するための具体的な方法となっています。
不登校児童生徒数は、近年増加傾向になり、その対策は喫緊の課題です。不登校の取組とは、数の減少を目指すことが第一義ではありませんが、不登校が生じないような学校づくりを推進させることは、結果的に不登校児童生徒数を減少させる取組となります。
不登校児童生徒への取組の点検・見直しとして、まず、不登校の数を継続数・新規数に分けます。前年度も不登校であった児童生徒の数を継続数、前年度は不登校でなかった児童生徒の数を新規数とします。
継続数・新規数の傾向を知り、取組の違いを確認します。継続数に着目し、不登校児童生徒へは社会的自立への支援として、個の状況に応じたきめ細かな支援を行います。そして各学年の新規数に着目し、新たな不登校が生じないような魅力ある学校づくりを推進。日常の教育活動に対する児童生徒の満足感・充実感の把握と、結果に応じた取組内容の見直しを行います。
指導助言の内容も継続数・新規数を基に考えます。不登校児童生徒への支援と魅力ある学校づくりのそれぞれで成果と課題を捉え、今後の対策の在り方を伝えます。なお、年度当初に準備できること、状況に応じて年度途中にできること、それぞれ指導助言の視点も掲載しています。不登校児童生徒への個別支援を中心とした取組と不登校を生まないための集団指導を中心とした取組が同時に進行される体制で、不登校問題の解決につながるといいですね。