立体パズル「ルービックキューブ」は、“一生遊べるパズル”として長年愛され続け、今年で発売から40周年を迎えます。単なる立体パズルではなく、“脳トレ”に効果的なアイテムの一つとしても注目され、幅広い年代から支持されています。
昨今では2020年からの教育改革に伴い、子どもたちがこれからの社会を生き抜くための必要な能力として、これまでの知識重視型から、思考力や表現力等を評価する方針に変わろうとしています。株式会社メガハウスはその背景に着目し、同社が日本国内において展開しているルービックキューブが、人間の脳活動に及ぼす影響に関する調査を実施しました。
調査の対象は小学校4年生から6年生の男女22人、諏訪東京理科大学の篠原研究室監修のもと行われました。調査の結果、ルービックキューブを解くことで、地頭力と深く関わる“前頭前野”が活性化した、さらにその後のテスト成績で「想像力テスト」の中で特定の分野において向上が見られた、という結果が得られました。
ルービックキューブを解いているときの子どもたちの脳活動を、近赤外線分光法装置を用いて計測しました。最初にアドバイザーからルービックキューブの1面を揃える方法をレクチャーした後、最後は子どもたちが独力でチャレンジしました。その結果、ルービックキューブを解いている時、人間の“地頭力”、自ら考え、自分なりの答え・方向性を見出していく力の中核的な役割を担っていると言われる“前頭前野”が活性化されることがわかりました。
またルービックキューブの解き方を覚える学習時間の前後に「想像力テスト」を実施し、創造的思考力を従来の知能検査とは違う角度から計りました。創造的思考力は知識や学力とは別の独立した能力で、自主性、積極性、指導性、向上心などに関わるといわれています。前後のテスト結果では、「応用力」「思考の速さ」「思考の深さ」においてそれぞれ有為な向上が見られる結果となりました。
前にブームになった1980年代、「ルービックキューブができる人は頭が良い」と言われたものです。当時の「単純に学校の成績が良い」という「頭の良さ」とは少し違うかもしれませんが、今回の調査でそれが裏付けられた、と言えそうですね。