ユニバーサルデザイン(UD)フォントの有益性の検証を20〜60歳代男女を対象に実施。OS標準フォントと比べて、モリサワのUDフォントを使ったときの方が、全世代で「誤読の回避」、40歳代以上で「読みの速度向上」に効果があるということが分かった。
■UDフォントとOS標準フォントを読み比べて検証
モリサワは、三重県いなべ市、茨城県行方市、埼玉県三芳町と協働で調査を実施。業務で利用するジャンルの文章サンプルを、UDフォントと一般的なOS標準フォントの両方で用意。それぞれの文章を読み、「誤読の回避」と「読みの速度」について検証を行った。
■UDフォントの方が文字の誤りを見つけやすく、読みの速度が上がる
検証を行ったところ、UDフォントは全ての世代において、文字の誤りを見つけられる確率が平均で5.34%高く、誤読の回避に効果があることが分かった。また、UDフォントは40歳代以上の世代において、特に読みの速度が上がり、OS標準フォントよりも約3.3%速く読めることが判明した。
■学校のプリントなどにUDフォントを活用
今回検証を行った3自治体では、検証数値を実際の業務の生産性に落とし込み、働き方改革につなげる予定。また、学校から発行されるプリント類などに、UDフォントを活用する動きを強化していく。
<ユニバーサルデザイン(UD)フォントとは>
ユニバーサルデザインの考え方に基づき、より多くの人にとって読みやすく設計されたフォント。「文字のかたちがわかりやすいこと」「文章が読みやすいこと」「読み間違えにくいこと」をコンセプトに開発されている。今回協働で検証を行った三重県いなべ市、茨城県行方市、埼玉県三芳町では「公共団体向けUDフォントプラン」を導入している。