神奈川県立住吉高等学校は、12月16日(水)、1年生の生物基礎の授業でヒューマノイドロボット「NAO」が教員に代わって授業を進めた。自律神経について理解を深めるためNAOが思考行動タイプ診断を行うなど授業の進行役を務めた。
■2016年度からプログラミング教育を実践
住吉高等学校は2016年度から神奈川県教育委員会からプログラミング教育研究推進校の指定を受け、「プログラミング教育」の研究を進めてきた。2020年度は「プログラミング」をツールとして活用することを主眼におき、学校教育活動におけるツールとしての「プログラミング」について研究に取り組んできた。
■NAOが進行役となり思考行動タイプを診断
今回の研究授業では、シャープドキュメント21ヨシダの協力により、ヒューマノイドロボット「NAO」を活用。現在、生物基礎では恒常性について授業を行っているが、自分の行動や感情に影響を及ぼしている自律神経について理解を深めるため、思考行動タイプ診断を行った。日常生活における外部からの刺激について意識してもらうことを目的にNAOが授業者として進行役を務めた。
■生徒はNAOの動きに驚きながらも診断を終了
NAOが起動し、立ち上がると思わず生徒から歓声があがった。NAOは自己紹介から始め、ジェスチャーを交えながら生徒に思考高度タイプ診断の指示を出していった。生徒はNAOが出す指示に驚きながらも思考行動タイプ診断を進めていった。最後にNAOは今回の結果はあくまでも診断であり、個々の多様性について生徒に問いかけて授業を終えた。
■今後は外国語科の授業や学校説明会でもNAOの活用を検討
今回、NAOが行った授業は、あらかじめ授業担当教員が準備したものであり、プレゼンテーションソフトの文章を読み上げるというNAOのアプリケーションプログラムを活用して行われた。住吉高等学校では今回のNAOを活用した授業実践以外にも、外国語科の授業実践や学校説明会での学校紹介についてもNAOの活用の可能性を検討している。
<小林信治教諭 コメント>
初登場のせいもあるが、NAOが登壇するだけで生徒たちの注目が集まり、授業が展開しやすい環境になった。今回は読み上げといった一方通行的な内容であったが、NAOが生徒とのやり取りを行う双方向的な活動も加えることで、授業の幅がより広がっていくだろう。また、今回は教員がプログラムを行ったが、これを生徒が活用することでプログラミングを楽しく学ぶツールとしての利用もできると考えている。
コミュニケーションロボット「NAO」