イベントなどで参加者が投稿したフリーコメントを瞬時に翻訳する技術が実現した。外国語を日本語に翻訳したり、海外からの参加者向けに日本語を各国語に翻訳できる技術により、言語の壁を超えるリアルタイムアンケートサービスを提供する。
■参加者の意見をリアルタイムで共有
フリーコメントを瞬時に翻訳する技術は、株式会社レスポンのリアルタイムアンケートシステム「respon」とドイツのDeepL社が提供するAI翻訳サービスが連携することで可能となった。参加者の意見や質問を一斉に募り、その場でプロジェクターなどを使って共有することで、より多くの意見収集とフィードバックが短時間で行える。
■外国人からのコメントの翻訳が課題に
文部科学省「G20 サミット教育関連イベント」をはじめ、国際会議でresponを活用する事例も増えてきた。これまで外国人が参加するイベントでresponを利用する際は、ファシリテーターが外国語のコメントを同時通訳しながら進行する形式をとってきた。この場合、大量のコメントが投稿されると、ファシリテーターが翻訳できるコメントの数が限定されてしまうことが課題となっていた。
■2020年3月、DeepLのAI翻訳サービスが日本語に対応
そこで着目したのが、ドイツの DeepL社が提供している AI 翻訳サービス。翻訳精度の高さと、自然な文章表現が高く評価されている同社のサービスが、2020年3月に日本語翻訳にも対応した。これを機に課題を解決するツールとして採用した。
■LIVE画面でリアルタイムにコメントを表示
responではアンケート投稿結果をリアルタイムに表示する「LIVE 画面」を用意。DeepLを組み込んだ LIVE 画面では、フリーコメントが投稿されると同時に DeepLによって翻訳される。どの言語に翻訳するかは設定パネルで選択可能。 英語はもちろん、スペイン語や中国語など全11か国語に対応。フリーコメントが、その場でリアルタイムに翻訳されることで、スピーディなコミュニケーションが実現する。
■不適切なコメントは表示しない機能も搭載
不適切なコメントや、AI が想定外の翻訳をした場合など、それらを表示しない機能も用意。また、複数会場を中継するイベントの場合、それぞれの会場で求められる翻訳言語が異なるケースもある。たとえば、米国の会場ではフリーコメントを英訳表示し、中国の会場では中国語訳を表示するという使い方もできる。
■教育機関向けサービスも2021年4月から提供予定
「リアルタイムアンケート+ AI 翻訳」のサービスを「企業向けrespon」のオプションサービスとして、2020年12月より提供を開始。 同時に「respon+DeepL」の機能だけをパッケージしたプランもリリースする。また、2021年4月より、「教育機関向けrespon system 8s」でも標準機能として提供する予定。