内閣府の青少年インターネット環境の整備等に関する検討会は4月24日、報告書を公表した。青少年のインターネット利用率・利用時間の増加、コミュニティサイトに起因する青少年の犯罪被害等の増加などを受け、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするために、フィルタリングの更なる利用促進、学校における情報モラル教育の充実などの基本方針を掲げた。
内閣府が平成29年度に実施した「青少年のインターネット利用環境実態調査」によれば、10~17歳の青少年の82・5%がインターネットを利用しており、特にスマートフォンの利用の割合が高い。青少年のスマートフォンによるインターネット利用率は26年度調査以降増加傾向にある。
警察庁が発表した「平成28年におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について」によると、28年にコミュニティサイトに 起因する事犯の被害児童は1736人で過去最多となった。 また「平成29年上半期におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について」によると、29年上半期のコミュニティサイトに起因する被害児童数は919人で、上半期としては過去最多だった。
こうした点を踏まえ、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするために、①青少年が自立して主体的にインターネットを利用できるようにするための教育・啓発の推進②保護者が青少年のインターネット利用を適切に管理できるようにするため の啓発活動の実施③事業者等による青少年が青少年有害情報に触れないようにするための取組の促進④国民によるインターネット上の問題解決に向けた自主的な取組の推進 ⑤技術や活用方法等の変化を踏まえた実効的なPDCAサイクルの構築―を基本的な方針として掲げた。
また学校等における教育・啓発等の推進方針として3点を提言した。
①児童生徒の発達段階等に応じた情報モラル教育等の推進=全ての小・中・高等学校等は学校段階、児童生徒の発達段階等に応じて情報モラル教育などを着実に実施する。
②学校等を通じたインターネット利用者の低年齢化にも配慮した啓発活動の推進=学校における教育をサポートする啓発資料の作成・提供や、青少年・教職員・保護者などに対するインターネットの適切な利用に関する啓発講座を実施するとともに、学校における保護者などに対する効果的な説明の機会を活用した啓発活動の実施を推進する。
③「ネット上のいじめ」に対する取組等の推進=コミュニティサイトや「学校裏サイト」などを通じた「ネット上のいじめ」に対し 実態把握を行うとともに、関係機関などと連携し、未然防止、早期発見、 早期対応につながる取組を行うことや、児童生徒が「ネット上のいじめ」も含めたいじめ問題について主体的に考える機会を提供する。
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