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「正しい日本語」志向が増加?文化庁の「国語に関する世論調査」

2018年10月1日

文化庁では、平成7年から毎年「国語に関する世論調査」を行っています。全国16歳以上の男女を対象に、日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、国語施策の立案に資するとともに、国民の国語に関する興味・関心を喚起することを目的としたものです。この度、平成29年度に実施した結果が発表されました。

 

まず国語に対しての関心について、7割台半ばが「関心がある」、また6割台半ばが「日本語を大切にしている」と答えています。「言葉の乱れ」や「誤用」が話題に上ることがありますが、「書き言葉や話し言葉の使い方」について、「正しく整えて使うべきだと思う」という回答は47.6%、半数よりやや少なくなっていますが、平成20年度調査結果と比較すると14ポイント増加しており、意識の変化がうかがえます。

 

ニュースやクイズ番組などで聞くことがある、新しい表現、言葉の意味の混同や、本来と異なる言い方についても尋ねています。新しい表現では「ほぼほぼ」、「後ろ倒し」、「(上から)目線」、「タメ口」、「ガチ」などが取り上げられ、最も浸透しているとみられるのは「目線」で、ほとんどの人が聞いたことがあり、また半数以上が「使うことがある」と答えています。

 

「檄を飛ばす」は本来「自分の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求めること」ですが、「元気のない者に刺激を与えて活気付けること」の意味で使っている人の方がかなり多くいました。また本来「采配を振る」が本来の言い方ですが「采配を振るう」と言っている人が半数以上でした。しかし過去の結果を見ると、平成20年度よりも本来の意味、言い方を使っている人の方が増えています。

 

ところで、質問の中に「表記の決まり」という項目があり、そこで「学校で教わる表記の仕方と、官公庁などが示す文書や法令の表記の仕方が異なる場合があることを知っているか」という質問がありました。皆さんはご存じだったでしょうか。例えば「まさに」は公用文では「正に」、「私達」は「私たち」、「取り組み」は「取組」などです。日常でどちらも使っているような表記ですが、実は学校と公用文ではルールが違っているのですね。この調査結果には、何気なく使っている言葉についての色々な発見があります。学級などで取り上げて、討論の材料にしてみてはいかがでしょうか。

 

平成29年度「国語に関する世論調査」の結果について|文化庁

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