文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課は、2020年5月22日に発出した「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル～『学校の新しい生活様式』～」を9月3日時点での最新の知見に基づいて改訂した。
■8月の感染状況などを新たに追加
児童生徒や教職員などの感染状況やその分析について、前回集計時点（6月1日～7月31日報告分）のデータに、8月の感染状況及び同一の学校において複数の感染者が確認された事例などを追加。6月1日から8月 31 日までの感染の報告は、児童生徒1,166 人、教職員 194 人、幼稚園関係者 83 人となっている。同一の学校で複数の感染者が報告された事例は68件。このうち、部活動に関連したものは18 件、また、5 名以上の感染者が確認された事例は 68 件のうち 18 件となった。
■地域の感染レベルと分科会が提言した分類を整理
地域の感染レベル（1～3）について、新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言による分類(Ⅰ～Ⅳ)との対応関係を整理。例えば地域の感染レベル1は分類のステージⅠに対応。感染レベル2は分類のステージⅡとステージⅢの一部に対応している。
■教室の換気について「富岳」のシミュレーション結果を紹介
スーパーコンピュータ「富岳」のシミュレーション結果として、教室内の換気効率について紹介。それによると、短時間で換気を行う場合、扉や窓を広く開けることが短時間での換気に有効だとする。また、常時換気を行う場合には、扉や窓を狭く開けても、廊下側と窓側を対角に開ける方法をとることで効率よく換気ができるという。
■フェイスシールドの活用に留意点を追加
フェイスシールドの活用について留意点を追加。フェイスシールドはしていたがマスクをしていなかった状況での感染が疑われる事例があったことから、マスクなしでフェイスシールドのみで学校内で過ごす場合は、身体的距離をとることが望ましいとする。
■部活動の大会参加時などの留意すべき点を追加
部活動における大会への参加や、練習試合、合宿などにあたって留意すべき点を追加。大会やコンクール等に参加する際は、競技や演奏時だけでなく、会場への移動時や会食・宿泊時、会場での更衣室や会議室等の利用時なども対策を講じる。練習試合や合宿でも、地域の感染状況等を踏まえ、学校として責任をもって、大会等の参加時と同様の感染拡大を防止する対策を求めている。
■寮や寄宿舎における感染症対策を具体的に記載
実際の感染状況を踏まえ、「第6章 寮や寄宿舎における感染症対策」を新たに追加。居室や共有スペースにおける感染症対策や感染者が発生した場合の対応などを記載している。
