中学校段階において、理科や数学科、社会科と連携した技術教育を考えるシンポジウムが開催されます。「今後の日本を支える技術教育の在り方—教科横断的な視点からの検討—」と題され、平成31年3月16日、第1回「技術ガバナンス教育の新たな視点」が行われます。会場は文部科学省の3階講堂、参加費は無料で定員300名となっています。参加にはメールで申込が必要で、また当日は返信メールを印刷したものが入場券代わりとなります。
このシンポジウムは国立教育政策研究所によるもので、「技術ガバナンス能力」の育成に活用する教科横断的なカリキュラムについて検討してきたことにおいて、基本的な考え方及び実践例を紹介するとともに、各教科の研究者におけるパネルディスカッション、外部研究者による講演を通して、子どもたちに求められる技術教育のあり方について参加者と共に協議するものです。
「技術ガバナンス」とは、現代の私たちの生活を支えている「技術」について、その光と影を理解し、判断・発言・行動できる資質・能力を呼ぶ名称です。このような能力の育成についてこれまで、自然科学的な知見に基づき、生活や社会における問題を基礎的な技術を選択する、改良・応用することによって解決する、といった学習が行われてきました。確かに技術そのものを理解し、開発することについてはこれが正しいかもしれません。
しかし技術が社会で活用される場合は、ユーザの経済的な感覚、社会的な嗜好の傾向など、様々な関係者の意図が働きます。そこで自然科学だけでなく、社会科学等の知見を目的に応じて統合し、利用できる力の育成に配慮が必要と考えられたのです。
学校教育は「教科」や「文系・理系」にとらわれがちな面もありますが、社会ではそうした枠組みを越えたスキルや知識が必要な場面が数多くあるのではないでしょうか。技術が高度になり、ブラックボックス化しているとも言える現代、子どもたちが必要なスキルは何か、考えてみてはいかがでしょう。