「人とロボットの共生」をテーマに「Pepper」や「Whiz」などのロボットが身の回りで活躍する中、新たに配膳・運搬ロボット「Servi(サービィ)」が誕生した。「ソフトバンクロボティクス新事業戦略発表会」で9月28日に披露された「Servi」は、2021年1月から販売開始し、飲食店やホテル・旅館などでの活躍が期待される。
■運搬・配膳を「Servi」に任せて従業員は接客にあたる
「Servi」は飲食店やホテル・旅館、小売店などで、従業員と一緒に働くことを目的に開発された配膳・運搬ロボット。簡単な操作で料理などの配膳・運搬ができ、その分の空いた時間を従業員は接客サービスなどにあてることができる。
■コロナ禍の新たな要望に応える
コロナ禍により外食産業が厳しい状況にある中、非接触型のオペレーションへの要望が高まってきた。また、ホール業務において配膳と下げ膳は1日に約10kmも重いものを持って歩くことになる。そうした課題をServi導入により解消する。キッチンとテーブルまでの間の配膳はServiが受け持ち、従業員はホール内業務や客との会話に集中できる。
■3時間で設置可能、スープなども安全に運ぶ
Serviは設置が容易で3時間もあれば設置可能。また、レストランは客や従業員など人の移動が複雑で、イスなどが急に動くこともある。そうした常に状況が変化している環境で、スープなどこぼれやすいものを安全に運ぶことができる。なお、Serviは配膳ロボットで実績とノウハウを持つ米国のBear Robotics,Inc.とのパートナーシップをベースに開発された。
■3年プランで月額99,800円
Serviは3年プランで月額99,800円(税別)で提供。故障も無償で保証し、翌日には交換品が届き、定期メンテナンスも実施される。また、一般販売に先立ち、「焼肉きんぐ」や「ゆず庵」などを展開する、株式会社物語コーポレーションでは300店以上にServi導入が決定した。今後も続々と飲食業界での導入が進められる予定。
＜Serviの主な特長＞
①高い移動性能
3DカメラやLiDARなど高性能の各種センサーを整備し、スムーズかつ安全な移動を実現。人だけでなく靴やカバンなど小さな物も滑らかに避け、料理などを安全に運べる。60㎝の狭い通路も通り抜け可能で、人とのすれ違いもスムーズに行える。
②導入ハードルが低く、操作もシンプル
テーブルや天井にマーカーなどの目印を設置する必要がなく導入が容易。目的地とGOボタンの2タップで指定した場所に自動で移動する。配膳・運搬後は重量センサーが料理の取られたことを検知して自動で戻ってくる。
③実店舗での使いやすさを追求
360°どこからでも料理などの運搬物を載せることが可能。総積載量も35㎏で重い食器や料理も一度に配膳できる。さらに、遠隔での操作もできるなど、店のシチュエーションに合わせて柔軟に活用できる。
＜ソフトバンクロボティクスグループ 代表取締役社長兼CEO 冨沢文秀氏 コメント＞
6年前に人型ロボット「Pepper」を開発して以来、「人とロボットの共生」をテーマに様々なソリューションを提案してきた。コロナ禍において人々の生活様式やビジネスの形が大きく変わる中、「Pepper」も発熱検知から声かけまでを行うなど、ロボットも新しい形での需要が求められている。新たに登場した「Servi」はAIが感知して、テーブルまでしっかり料理を運ぶことができる。実際に「Servi」を使ってみると、その利便性の高さに改めて気づかせられるだろう。
＜女優 広瀬すずさん コメント＞
Serviが近くまできて、きちんと止まれることに驚いた。音もとても静かで、近寄ってくるのを思わず見入ってしまう。ロボットが仲間になるというのはこれまでになかったことで新鮮に感じた。Serviと一緒に働いたら、私の方が足をひっぱるかもしれない。こうしてロボットに愛着がわくのは、本当にすばらしい。また1つレストランに足を運ぶ楽しさが増えたと思う。
