プロジェクト「これも学習マンガだ!」とは、2015年度からスタートした、新しい世界を発見できるマンガや学びにつながるマンガを選出・発表し作品を国内外の読者に届ける事業で、マンガ家里中満智子氏が選書委員長、その他マンガを研究テーマとする大学教授や研究者、元編集者などが委員を務めています。マンガを通じて、「楽しみながら学ぶこと(=edutainment・educationとentartainmentを合わせた言葉)」を継続的に推進しています。
これも学習マンガだ!実行委員会は、岐阜県の高校図書館司書を対象とした「マンガの図書館利用に関するアンケート」を実施しました。この調査は2019年11月に開催された「岐阜県高等学校教育研究会図書館部会研究大会」内講演の参加者事前課題として行われたものです。
調査では、88%(56校)の高校図書館で教科・分野を解説する「学習漫画」に加えて一般の漫画も扱われていることが分かりました。また、利用者(生徒)に人気の高いタイトルとして、2018年TVアニメ化された『はたらく細胞』をはじめ、『ちはやふる』『宇宙兄弟』『聲の形』などの「これも学習マンガだ!」選出作品が多く挙げられています。
適正と感じる導入数は61〜100タイトルで、57%の学校が導入数が少ないとしています。また77%の学校が「マンガによって図書館の利用が増えている」と考え、553%の学校が「マンガをきっかけとして、マンガ以外の一般書も利用されている」という実感を得ていることも明らかになりました。
ひと昔前は勉強と対極の存在だったマンガは、今は日本文化のひとつとして認められようとしています。またマンガが子どもの娯楽だった時代にも、「学習マンガ」というジャンルがありました。しかし現代のマンガには、フィクションであっても綿密な取材の上に作られた、読むことで知識を得られる、深めることのできる作品が数多くあります。本離れ、活字離れと言われて久しいですが、マンガを読書として認めれば、もっとマンガも含めた本を読む子どもたちが増えるかもしれないですね。
「これも学習マンガだ!」実行委員会 高校図書館におけるマンガ利用に関するアンケート調査