長崎県川棚町立石木小学校(寺地久弥校長)は、児童の仕事に対する理解を深めるため、パナソニックが提供する「私の行き方発見プログラム」を実施。12月10日(木)、東京と長崎をオンラインでつなぎ、5・6年生の児童がパナソニック社員による出前授業を受けた。
■事前学習と出前授業の組み合わせで自分らしい行き方を考える
キャリア教育プログラム「私の行き方発見プログラム」では、パナソニックが提供するキャリア教育教材を用いて、事前学習で会社の役割や仕事をするために必要な能力などを学んだ。その後、オンラインでパナソニック社員による出前授業(50分)に臨んだ。今回の講師はパナソニック システムソリューションズ ジャパンの栗原朝佳氏。
■今、学んでいることは将来につながる
授業のテーマは「自分の今が未来につながる」。「学校で勉強していることは、将来何の役に立つのか」という、子供たちの疑問に答えるため、テーマ1「会社にはどんな仕事があるの?仕事で大切なことは何だろう」、テーマ2「今、勉強していることが将来どのように役立つの」の2つのテーマで展開された。
■1つの製品が届くまで多くの人が関わっている
テーマ1「会社にはどんな仕事があるの?仕事で大切なことは何だろう」では、新製品が消費者の手元に届くまで、どんな人たちが関わっているかを学んだ。冷蔵庫を例にとっても、企画、開発、製造、物流、販売、アフターサービスなど、多くの過程を経て、消費者のもとに届く。企画に携わる人は、どんな冷蔵庫が求められているか調査して製品イメージを固める、製造に携わる人は工場で本物の冷蔵庫を組み立てるなど、多くの人が1つの製品に関わっている。
■仲間と協力することで大きな力が生まれる
「仕事をする上で大切なことは何か」について、パナソニック社内でアンケートを実施。最も多かったのが「仕事に真剣に向き合うこと」(41%)、次いで「チームワーク・コミュニケーション」(32%)、「お客様の満足度向上」(25%)、「学ぼうとする謙虚さ」(25%)と続く。栗原氏が仕事で最も大切にしていることは「いろいろな仲間と協力すること」。1人で悩みを抱えるのではなく、みんなで協力することで大きな力が生み出せるという。
■授業や部活動で学んだことが将来の役に立つ
テーマ2「今、勉強していることが将来どのように役立つの」では、学校で学んだことが仕事でどう活かされるかを紹介。国語で身につけた、文章で表現する力やコミュニケーション力は、企画書作成やプレゼンテーションの際に役に立つ。また、部活動ではチームで協力することで協調性や、グループをまとめるリーダーシップなどが身につくという。
■15年後のなりたい自分を考える
ワークタイムの時間では「今から15年後のなりたい自分」を考えてみることに挑戦。ステップ1として、ワークシートに、①自己PR(良いところ・自分らしさ)、②社会の中の自分の役割、③15年後のなりたい自分を書き出していった。その後、ステップ2「発表・共有」では、個人ワークで考えたことを、みんなの前で発表した。
■パティシエや獣医師など将来の目標に向かって
児童がワークシートに書きだした「15年後のなりたい自分」から、次のような内容が発表された。「社会貢献ができる仕事に就きたい。理由は貧困などが無くなれば、みんなが幸せになれるから」、「みんなが笑顔になれる仕事がしたいので、パティシエになります。みんなにケーキを作ってあげると、ありがとうと言われて自分も笑顔になるから」、「獣医師になりたいです。理由は動物の命を守りたいから」など、明確な将来の目標が挙げられた。
■失敗してもあきらめずに挑戦を
栗原氏は最後にパナソニック創業者である松下幸之助の「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる」という言葉を紹介。「これからも失敗することもあるかもしれないが、失敗してもあきらめずに努力すれば成功する。自分らしい行き方を見つけて、将来の夢を実現してださい」と言葉を送った。
<教務主任・川﨑武弘教諭 コメント>
オンラインで講師から話を聞くのは、児童としても初めてだったので貴重な体験となった。自分の将来のイメージというのは具体的に持ちにくいもの。それが、出前授業を行うことで、より身近に具体的な目標を持って進むことができるようになった。
長崎県川棚町立石木小学校