立命館アジア太平洋大学(以下、APU)は学生起業に向けて、実践型課外プログラム「APU起業部」の活動を展開している。APU起業部3期生は10月5日に募集を開始するが、学生起業のPR支援を促すためPR TIMESと9月30日に連携協定を締結した。
■半数の学生が外国人留学生
APUは2000年に大分県別府市に開学。世界90か国・地域から学生が集まり、学生の約半数が外国人留学生となる。国際寮では約1300名が生活し、日本人学生と海外留学生が同じ部屋で生活するなど、常に国際的感覚が培われる環境にある。
■APU起業部で学生の起業を支援
APUでは、2018年7月に学長直轄プロジェクトとして「APU起業部」を立ち上げた。「APU起業部」では、多様なキャリア支援の一環として「学生起業」を支援。1期生は12か国・地域出身の32組46名が所属し、4組が起業を達成した。2期生は11か国・地域出身の30組43名が現在活動中。教職員7名がメンターとして学生をアドバイスしている。なお、3期生は2020年10月5日から16日まで募集し、11月8日に発足式を開催する予定。
■学生起業の広報スキルを後押し
新事業は、まず認知してもらうことが重要だが、起業家が広報スキルを備えているケースは少なく、大学としても具体的な広報支援策が課題となっていた。そこで、プレスリリース配信サービスを行うPR TIMESと連携することで、学生起業の広報支援にあたる。具体的には次の3点で学生起業を後押しする。
1.オンライン特別講座を開講し、現役ビジネスパーソンからPRを学ぶ
2.学生起業家に向けて「PR TIMES」を初期無料プランで発行する
3.APUの活動報告や成果発表を「PR TIMES」で広く発信していく
■将来の学生起業家を全面的に応援
2019年度に確認された大学発ベンチャーは2566社。2018年からの1年間で288社も増加しており、過去最高の伸びを記録している。一方、大学では広報・PRを専門に教える講義が無いため、学生起業家は広報のスキルを持ち合わせていないケースが多い。そこで、スタートアップ企業の広報支援をしているPR TIMESと連携を組むことになった。
■オンラインによるビジネスパーソンの講義
「APU起業部」の活動として、広報・PRスキル&マインドを身に付けられるオンライン講義を開催。起業部の企画ではあるが、APUの在学生であれば誰でも受講できる。なお、講義はオンライン主体となり、距離や地域を越えられる点を活かし、ビジネスパーソンをゲストに講義が行われる。
<オンライン特別講義 スケジュール>
◆11月9日(月)18:00~19:30
講義テーマ:「今ビジネスの現場でPRマインドが重要なワケ」
講師:野呂エイシロウ氏(放送作家/PRコンサルタント)
◆12月14日(月)18:00~19:30
講義テーマ:「テレビ経済番組を共につくり上げるのはPRパーソンだ」
講師:浅岡基靖氏(テレビ東京プロデューサー)
◆1月18日(月)18:00~19:30
講義テーマ:「スタートアップ企業における広報の大切さ」
講師:両角将太氏(F Ventures代表)
■APU発の学生起業家に「PR TIMES」初期無料プランを提供
APUの学生起業家に6か月間、毎月1回まで「PR TIMES」でのプレスリリース配信を無料で提供。さらに、プレスリリースを効果的に配信できるように「プレスリリースの作成講座」など基礎勉強会や個別相談でサポートする。
■活動報告や成果発表を「PR TIMES」で広く発信
APU起業部の活動報告や成果発表など、APUが「PR TIMES」を活用して情報発信を強化する。これにより、大学内外の人に起業部やAPU独自の取組みを知ってもらう機会を生み出す。APUで学びたいと考える学生を増やせるよう、オープンな情報発信を目指す。
<立命館アジア太平洋大学 出口治明学長 コメント>
APUは外国人留学生が学生の半数を占める。世界中から学生が集まるAPUは、正に小さな地球であり、若者の国連と言える。世界中から学生が集まるAPUは、卒業後に世界各国で起業する学生も多い。インドネシアで聾唖者向けカフェを解説したり、ネパールの農村で小学校を建設するなど卒業生は全世界で頑張っている。「APU起業部」では、第1期で4組の学生が起業した。バングラデシュで環境問題に取り組みながら革製品の生産販売を行ったり、別府市でスリランカ料理店を経営するなど、自分も起業することの大変さは分かっていたが、若者の潜在能力には驚かされる。正にこれから、APUで学んだ人が世界を変えていく。
<株式会社PR TIMES 代表取締役社長 山口拓己氏 コメント>
PR TIMESが大学と連携を提携するのは今回が初のケースとなる。学生起業に力を入れているAPUと共に、学生がPRを実践的に学ぶ場を作るだけでなく、スタートアップを支援する取組を進めることを大変うれしく思う。