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科学技術改革タスクフォース報告~みんなで創る未来社会に向けた科学技術システム改革~

2018年8月13日

文部科学省が、「科学技術改革タスクフォース報告 ~みんなで創る未来社会に向けた科学技術システム改革~」を公表しました。

Society5.0という新たな時代においては、AI、IoT、ロボットといった科学技術の進歩が予測できないほど進展するともに、産業・社会構造、ライフスタイル等の在り方に大きな変化が予想されます。科学技術政策もこの変化に対応し、先手を打っていく必要があります。このため、『目指すべき未来社会ビジョンと求められる科学技術の在り方』について、本年6月より、林大臣の下で省内の中堅・若手職員が中心となり、幅広い分野の有識者との意見交換を行ってきました。このたび、その方向性が取りまとめられました。

未来の不確実性が高まる中、中長期的な視点から、積極的に未来社会ビジョンをデザインする仕組みを構築するとともに、我が国と同程度以下の予算にも関わらず世界トップレベルの研究力を維持している欧州諸国の事例分析も踏まえ、以下の方向性を打ち出しています。

●未来型研究手法・基盤の確立
今後は、既成の欧米主導型システムみにとらわれることなく、「AI駆動型化学」のような未来型の研究開発手法に対応した新たな価値生産・評価システムも見据えていくべきとしています。あわせて、新興・融合領域の開拓を戦略的に進める体制や、これを支える多面的な研究評価軸も必要です。未来技術の社会実装に際しては、倫理的・法的課題等への機動的対応のため、研究開発段階から人文学・社会科学的な視点を本質的に取り入れていくことが一層重要です。

●研究者の能力を最大化させる環境の創出
自然科学系学生の減、将来の研究キャリアパスへの不安、博士課程の進学者数減が顕在化しており、また若手研究者が独創的・挑戦的な研究を行うための研究環境が不足しています。「研究者の視点」でライフステージに合った研究支援システムが必要と思われます。

●現場の強みを活かしたイノベーションシステムの構築
「組織」対「組織」の「本格的な産学連携」が不十分であり、大学経営基盤強化への貢献も限定的です。研究開発法人は、従来型の取組にとどまり、時代の変化に対応した柔軟な取組が不十分であり、先端施設・設備の整備については、計画的な整備や分野間での調整機能が不明確です。異端・異能と呼ばれる人材が活躍できる社会の実現が求められます。

科学技術システムの主要3要素「研究」「人材」「環境・基盤」を、現行課題や諸外国の取組も勘案し、未来を見据えた中長期的視点も入れ改革していくことが求められます。

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