宮城教育大学附属小学校は、国内初となる「コンピュータサイエンス教育」の授業の実践・研究・カリキュラム開発を行う実証研究プロジェクトを、NPO法人みんなのコードと連携して開始することを発表した。
■先進的かつ実践的な情報教育を実施
宮城教育大附属小は、東北唯一の国立系教員養成大学であり、全国に多くの教員を輩出してきた宮城教育大学の附属研究機関。近年では「コンピュータ・サイエンスの時間」を設置し、PCについての理解や機器操作を扱う授業を実践するなど、先進的かつ実践的な情報教育を研究・実施してきた。
■公教育でコンピュータサイエンス教育を行うことの重要性
宮城教育大附属小とみんなのコードは、先進的な海外事例にも触れる中で、日本の公教育でもプログラミング教育を含む広義的な「コンピュータサイエンス教育」の重要性を感じ、今回の実証研究を行うことになった。
■デジタル社会の生き方語れる児童を育成
今回のプロジェクトでは、「デジタル社会をどう生きるか」を自分自身の言葉で語り、「地方だからこそコンピュータでより豊かな生活を送れる」ということを実感できる子どもたちの育成が目指される。そこで、公教育における「コンピュータサイエンス教育」のモデルケースの作成を進めていく。
■モデルカリキュラムの作成を視野に進める
今後は小学校だけでなく中学校も設置する宮城教育大学のメリットを活かし、小中学校の9年間で実践できる教科「コンピュータサイエンス」のモデルカリキュラムの作成も視野に活動を進める。さらに、2030年からの次期学習指導要領における子供たちの情報活用能力の在り方についても、本プロジェクトでの研究結果を元に提言する。
■日本財団がプロジェクトを助成
プロジェクトの実施にあたっては、日本財団が「公教育におけるプログラミング教育必修化の定着と発展をとおした地域格差の是正」プロジェクトとして助成する。
<プロジェクトの参画メンバー(敬称略)>
宮城教育大学 技術教育講座/同 情報活用能力育成機構 副機構長 安藤 明伸 教授
宮城教育大学附属小学校 佐藤 俊宏 教頭
同CS(コンピュータサイエンス)部 上杉 泰貴 教諭、新田 佳忠 教諭
同情報部 尾形 尚子 教諭、千葉 廣 教諭、宮澤 莉奈 教諭、阿部 一矢 教諭
NPO法人みんなのコード 代表 利根川 裕太
同学校教育支援部 講師 竹谷 正明 、千石 一朗
同パートナー事業部 畑 紗羅 、釜野 由里佳
<宮城教育大学 安藤明伸教授 コメント>
宮城教育大学では、4月に情報活用能力育成機構を立ち上げた。そのタイミングで附属小学校や、みんなのコードと共同で未来のコンピュータサイエンス教育を研究するプロジェクトを発足できたことを非常に嬉しく思う。本プロジェクトを通じて、公教育における未来の子どもたちに必要な「コンピュータサイエンス教育」のモデルケースを作成し、多くの子どもたちが「デジタル社会をどう生きるか」を自分自身の言葉で語れる、そのような社会を目指してプロジェクトを進めていく。
<宮城教育大学附属小学校 佐藤俊宏教頭 コメント>
本プロジェクトのキーワードとして、ここ宮城県にある本校の地理的メリットを活かして、Society 5.0の時代に「地方でも地方だからこそコンピュータでより豊かな生活を送れる子どもたち」の育成を目指し、新たな「コンピュータサイエンス教育」のモデルケースを作成していく。全国の学校教育で実践していただけるケースを作成できるよう、一丸となってプロジェクトを進める。
<みんなのコード 代表 利根川裕太氏 コメント>
コンピュータサイエンス教育という観点から、宮城教育大学附属小学校と共同で授業実践と調査研究に取り組むことで、プログラミング教育の先のステップとして、日本初のコンピュータサイエンス教育のカリキュラムの開発にチャレンジする。本研究を通して、人とテクノロジーが協働する時代に、子供たちにとってのコンピュータサイエンスの学びのあり方を模索し、日本全国の公教育に還元できるか、熱意を持ったチームで取り組んでいきたい。