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令和6年度からCBTによる全国学力・学習状況調査を順次実施

2022年4月28日

 

令和6年度からCBTによる全国学力・学習状況調査を順次実施するための準備が進んでいる。第12回全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループが4月27日、開催され、全国学力・学習状況調査の CBT 化について検討した。

 

文部科学省では、令和3年度に実施したCBTによる全国学力・学習状況調査(以下、全国学力調査)の試行・検証を基に今年度及び令和5年度のCBTによる全国学力調査の準備を進めている。

 

児童生徒質問紙調査をオンラインCBTで実施

4月に実施された令和4年度全国学力テストは約20万人の児童生徒(約3,000校の小中学校)を対象として「児童生徒質問紙調査」をオンラインによるCBTで行った。

実施校は、約8500校からの実施希望のうち、各都道府県・指定都市ごとに1校以上での実施となるように考慮しつつ、 希望実施日に応じ、ランダムに選定。

当日は、児童生徒・教職員向けに調査の実施方法に関する動画マニュアルを作成・配布して実施。

調査終了直後に自校の1次集計結果を確認することが可能となった。

 

令和3年度全国学力・学習状況調査の CBT 化に向けた試行・検証

■文字入力は1分間平均で小学生15文字、中学生で20文字

令和3年度は、応募があった学校の中から、各都道府県や政令指定都市で1校以上となるように地域や学校規模、ネットワークの種類、OSの種類の観点から実証校を選定。小学校63校・中学校56校・児童生徒1万734人がCBTによる調査を行っている。

実証校の児童生徒は各自の端末から「実証用学習eポータル」」にアクセスしてMEXCBT CBTシステムに接続してテストを行った。

検証項目はネットワーク・システム、実施体制、問題、端末操作、文字入力等。

サインインの際にはログインの方法を紙で配布。QRコードでログインする学校も多かったという。

実証によると、8割程度で概ね問題がなかったものの、一部の学校において「同一時間帯・複数学級で実施」した際に「ログインできない」「画面が固まる」「再度ログインした」等の児童生徒がいた。実証を担当した事業者は「学校の機器の性能や設定がボトルネックの原因である可能性が高い」と報告。

それについて実証を担当した事業者は「無線APに何台が接続しているのか、無線APの規格や性能や、問題が起こった3校のネットワーク環境なども合わせて報告すべき」と意見した。

 

文字入力状況については事前シミュレーションで調査。

1分間平均で小学生15文字、中学生で20文字であった。

 

 

令和4年度全国学力・学習状況調査の CBT は119校で実施予定

■記述式、口述式も実施

前述の令和3年度の実証を踏まえて今年度の準備を進めている。

 実施は今年10~11月。実施規模は119校、1万734人。

自治体単位で同日一斉または複数日に分散し、動画マニュアル等を用意して実施する。

今年度は記述式、口述式も実施。令和5年度中学校英語「話すこと」調査や児童生徒質問紙調査に備える。

 

令和5年度全国学力・学習状況調査 中学校英語「話すこと」調査

オンライン方式でCBT調査を検証

 

全国学力・学習状況調査では、平成31年度(令和元年度)より、中学校で英語調査を実施しており、次回は令和5年 度に実施予定(中学校約1万校)。

前回の「話すこと」のCBT調査は、USBを使い各校のPC室で実施したが、令和5年度調査では各自の端末を使ってオンライン方式でCBT調査を行う。

 

一定期間内(2週間程度)で学校数を分散して行い、調査日当日は250~500校程度で実施し、その結果を全国値 として公表。調査日翌日以降で実施した学校を含めた調査結果は「参考値」として提示する予定だ。

 

MEXCBT 300万人の児童生徒が登録

■令和4年度は利用申込を通年で受け付け

 

文部科学省が開発しているMEXCBTは、児童生徒が学習端末を用いてオンラインで問題演習等が できるシステムだ。国や自治体等の公的機関等が作成した問題約25000問(※)を搭載しており、教員による問題作成も可能。選択式や短答式問題は自動採点ができる。記述式問題については教員が主導で採点する。

MEXCBTは、令和3年12月から希望する全国の小・中・高等学校等での活用をスタート。現在、約900の学校設置者、約8500校、約300万人と全国の国立・公立・私立小中高等学校の約4割が登録済。岡山県では7割以上の学校が登録。次いで多いのは新潟県で、5割以上の学校が登録済だ。

なお令和4年度は利用申込を通年で受け付けている。

 

MEXCBTを利用するためにはMEXCBTと連携している学習eポータルを利用する必要がある。文部科学省では「学習eポータル標準モデル version2.00」を公表。各社がこれに則った仕組みを提供している。20223月時点では以下4つが連携済。なおオンライン学習システム推進コンソーシアムが提供する 学習eポータルを活用することも可能。

▼L-Gate(株式会社内田洋行) ▼Open Platform for Education (OPE)(日本電気株式会社) まなびポケット(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社) ▼Studyplus for School(スタディプラス株式会社) ※

 

※全国学力・学習状況調査 中学校卒業程度認定試験 高等学校卒業程度認定試験 全国学力・学習状況調査を題材とした動画問題 PISA(国際学力調査)の公開問題(20152018) 情報モラル学習問題 千葉県作成「ちばっ子チャレンジ100」「ちばのやる気学習ガイド」 山口県作成「やまぐち学習支援プログラム」 さいたま市作成「基礎学力定着プログラム」 岩手県作成「岩手県学習定着度状況調査」「岩手県中学1年生英語確認調査」 幸手市作成「パワーアップシート」「確認テスト」 実用英語技能検定 実用数学技能検定 テスト作成サイトで教員等が作成した独自問題

 

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