特集:特別支援教育と障害支援
「第8回LITALICO 教育実践フォーラム」が6月26日に都内で開催され、家族への支援のあり方について、医師やサポート団体の立場からの取組が発表された。同社は障害者の就労支援や幼児教室、学習塾などの事業を行っている。
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■鳥取県
優先順位高い早期の家族支援
井上雅彦教授(鳥取大学大学院、LITALICO研究所所長)は、医師の立場から主に鳥取県の取組を紹介した。
同県では幼児健診(1歳半)、3歳児健診の法定健診に加えて、5歳児健診も実施し、支援が必要な子供の早期発見、早期支援に取り組んでいる。グレーゾーンも含め対象人数は多いが、早期療育の対象人数は物理的に限られている。そのため、早期家族支援の優先順位は非常高い。本人支援の場合には「診断結果」が必要であるが、家族支援は診断の有無によらず可能だ。虐待を含めたいわゆる二次障害のリスクを予防することもできる。
鳥取県では市町村が実施するペアレントトレーニングの普及率も高い。これは子供への関わり方を学ぶもので、受講後は子育てストレス、うつ状態の有意な改善、子供の困難性・行動の改善などの効果が見られたという。
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■北 欧
指導履歴をDB化
石田祥代教授(東京成徳大学)は北欧における家族支援を紹介した。
蓄積された指導履歴などのデータベースがあり、教員が容易にアクセスできること、学校、福祉部門、病院、ケースワーカなど複数の関係機関の連携、現場の裁量と柔軟な対応、小学校区や中学校区の小さな単位での対応、誕生から就職までを縦型でカバーする行政と学校の間を取り持つキーパーソンなどで、家族を支援している。
日本でも、指導履歴データの蓄積と活用、複数関係機関の連携、行政と学校間のキーパーソンが、より良い家族支援につながると指摘した。
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家族への支援は生活の質を高める
医師の田中康雄氏は、「こころとそだちのクリニック むすびめ」で行っている家族支援についいて紹介した。
家族支援とは、家族が解決したいと考えている課題とそれに向き合う力をアセスメントすることだと話す。
「発達障害は生活障害につながることから、支援は生活の質を高めるために行う。特に乳幼児期の生活の質は家族にかかっており、家族への支援が重要」と語る。
【2016年8月1日】
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