教育家庭新聞は本年4月、全国の教育委員会を対象に「タブレット端末・PCの導入状況や計画」についてアンケートを実施し、25都道府県教委、459市区町村教委から回答を得た。そのうち5割強の教育委員会でタブレット端末・PCを導入済みあるいは導入予定がある。多くはPC室の入れ替え時の導入だが、教員用端末としての導入や特別支援教育向けの1人1台導入、無線LANシステムと合わせた協働学習検証のための実証校への整備もある。
タブレット端末・PCは教員提示用、グループ学習用、特別支援用などの用途により整備内容が異なるようだ。 |
県立教育委員会では特別支援教育のための整備が増えている。特別支援学校に就学する際の経費の一部を助成する就学奨励費が平成26年度から新たにICT機器もその対象となっていることもあり、整備を加速している可能性がある。
県立教育委員会において、平成26年度までに何らかのタブレットPC・端末を整備しており、平成27年度も整備を計画しているのは下記。
【宮城県】
モデル校1校の特定学科に対して生徒全員分のタブレットを整備し検証。今年度は実証校9校に220台を整備。Windows8とiOSいずれかを検討中。教員授業用、校外活動、交流学習など。無線LAN環境やMDMも。
【秋田県】
平成25年度に特別支援学校3校へタブレットPC26台、平成26年度に特別支援学校1校に7台整備済み。平成27年度は特別支援学校2校に実証校として授業支援システムと共に整備。教員授業用、個人学習、グループ学習、校外活動、交流学習など。
【長野県】
モデル校3校に45台のタブレットPCを導入。平成27年度は7校のPC室に整備して普通教室と共有で活用(Windows8)。授業用、グループ学習用を想定。授業支援システムも導入。
【埼玉県】
平成24年度に県立中学校1校100台(Android)、平成25年度に県立高等学校1校18台(iOS)、特別支援学校(一部)に導入済み。平成27年度は、実証校として県立高等学校4校・180台を無線LAN環境や教材提示装置と共に導入予定。県立特別支援学校3校は21台(iOS)を導入予定。平成27・28年度の2年間で、自閉症の特性等を踏まえた教育課程の研究を行う。端末と無線LANや提示装置の両輪で整備を行うことを想定。
【茨城県】
県立中等教育学校及び県立中学校2校のPC室にタブレットPC(Windows8)82台を整備済み。平成27年度は、特別支援学校19校に計530台整備予定。教員授業用、個人学習、グループ学習、校外学習、交流学習を想定。無線LAN環境も。
【兵庫県】
平成27年3月1日現在で教育用PC2万1993台整備。うちタブレットは2092台整備済み。今年度は高等学校1校に41台(iOS)整備予定。教員授業用、個人・グループ学習など。無線LANも。
【熊本県】
普通教室に導入していたノート型PCを更新時にタブレット端末に変更済。今年度も継続して高等学校24校、中等教育学校2校、特別支援学校2校のノート型PCをタブレットに変更予定。実証校として高等学校1校、中等教育学校1校に整備予定(Windows8)。無線LAN環境も。
昨年度までに何らかの整備済みでかつ今年度整備予定がある市町村は以下。
【北海道北広島市】
平成26年3月に小学校教育用PCとしてタブレット端末をPC室に整備し普通教室と共有活用(小学校9校・323台)。今年度は校務用PCにタブレット機能を持つハイブリッドPCを整備予定。平成28〜29年に校務用PCを計200台整備。平成30年に中学校教育用PCを約240台更新してタブレットを導入予定。無線LAN環境も。
【秋田県北秋田市】
平成26〜28年度で全小中学校に画面着脱式のタブレット型PCを導入予定。PC室に導入して普通教室と共有。今年度は小学校2校、中学校1校で実施。教員授業用、個人・グループ学習、校外活動など。無線LAN環境やデジタル教材も。
【青森県弘前市】
タブレット型PC(windows7)32台(中学校英語学習用)、タブレット型端末(iPadmini)160台(インクルーシブ教育構築モデル事業用)に整備済み。今年度は実証校(小学校2校23台・中学校2校23台・その他4台)に整備予定(Windows8)。無線LAN環境、授業支援システム、デジタル教材、ICT支援員も配備予定。
【神奈川県相模原市】
小学校72校中49校に各校・・・
【2015年6月1日】
2014年度のタブレット端末導入計画を調査<教育家庭新聞社調査>
関連記事