教育家庭新聞では全国の教育委員会を対象に5月、教育の情報化に係わる導入計画について調査を行った。内容は、平成26年度におけるPC室の更新計画の有無、タブレット端末の導入計画の有無、その学習目的など。約1700教委にアンケートを送付、約420教委から回答を得た。それによると、今年度、実証校を設けてタブレット端末の導入を進める教委が増えている。また、協働学習などの実施を視野にPC室にタブレット端末を導入し、普通教室と共用する計画の教育委員会も見られる。なお文中の数字はいずれも「予定」である。
都道府県教委においては、47都道府県中12県より回答を得た。そのうち普通教室におけるタブレット端末の導入計画があるのは、宮城県、兵庫県、鳥取県、高知県、熊本県、大分県など7県。うちiOSを選択する教委は、鳥取県、高知県、大分県、宮城県など6教委。特別支援学校への対応にiOSを選択する、高等学校向けの学習者用デジタル教科書・教材にiOSが多いことなどからiOSを選択するなどの理由が考えられる。
PC室更新はWindowsが主流。無線LAN環境を構築または強化する教委は、宮城県、鳥取県、熊本県など5教委。
熊本県は、高等学校9校のPC室を更新。395台のPC(Windows8)を導入する。現在普通教室に導入しているノート型PCを、更新時にタブレット端末に変更する予定。タブレット端末の導入校は、高等学校4校48台、中等教育学校1校42台、特別支援学校1校24台。個人学習やグループ学習を行う。
高知県は、高等学校1校に6台のタブレット端末(iOS)を導入。個人学習やグループ学習を行う。PC室の更新は高等学校7校で予定しており、iOS及びWindows8を導入予定。いずれもデスクトップPC。
富山県は、高等学校20校のPC室更新に伴い、Windows8のデスクトップ及びノートPCを導入。普通教室での活用も想定している。
鳥取県は1学期中に、高等学校1校に15台、特別支援学校8校に469台のタブレット端末(iOS)を導入する。個人学習、グループ学習、校外活動、交流学習などを想定している。無線LAN環境の構築は、高等学校1校、特別支援学校1校。PC室の更新は、高等学校5校、特別支援学校2校を予定。
大分県は、高等学校1校に40台、中等教育学校1校40台、特別支援学校1校40台のタブレット端末(iOS)を導入。個人学習やグループ学習、校外活動などを検証。
兵庫県は、高等学校123校に731台、中等教育学校1校に5台、特別支援学校25校に336台のタブレット端末(Windows8)を導入する。なおPC室も更新。高等学校124校に2075台が更新される。
宮城県は、高等学校2校に130台程度のタブレット端末(iOS)と無線LAN環境を構築する。個人学習や協働学習を想定している。
兵庫県淡路市では小学校17校に330台、中学校5校に170台のタブレット端末(iOS)を導入する。以後平成26〜30年度の5年間で、毎年500台のタブレット端末を整備し、平成30年度には小学4年〜中学3年までの児童生徒約2700人に、1人1台のタブレットを貸与。また、この5年内に全教員のタブレット活用研修を終了させる。合わせて充電保管庫やプロジェクター等関連機器、教育支援ツールの整備も行う。
無線LAN及び有線LAN環境も増設・整備。基幹校を中心として研修会を開催し、基幹校には重点的に整備する。想定している活用法は、個人学習とグループ学習。事業費は2億7500万円(単年度5550万円)。
既に平成24年度からの2年間で220台の端末を整備済み。今後、年間5回の公開授業を行う。
淡路市ではこれらの整備により、教職員の教育研究活動の定着化・恒常化、児童生徒の基礎学力の向上、21世紀型学力の育成を図る。また、地域住民にも周知を図ることで、淡路市の教育に対する信頼度を高め、特色ある教育を人口流入の加速につなげる。
東京都墨田区では昨年度から、PC室の更新時にタブレット端末40台を整備。今年度も9校でPC室を更新。PC室内は無線LAN環境を構築し、個別活動もグループ活動も出来る机にした。普通教室での活用を想定してタブレット端末の充電保管庫は持ち運びが出来る。協働学習用のソフトウェアも整備 |
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【2014年6月2日】
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