1人1台の端末活用を支援する<京都府私立同志社中学校>

英語でアクティブラーニング

8か国の講師と一斉に交流

同志社中学校アクティブラーニング
グループごとに順番にアメリカ、イギリス、
オーストラリア、カナダ、セルビア、フィリ
ピンの講師に質問

同志社中学校において1人1台のタブレット端末は、授業でどのように活用されているのか。2月9日、英語科の公開授業が行われた。

公開されたのは、ハーフサイズクラスの授業を同時展開で2クラス実施する授業だ。教室には6ブースが用意され、それぞれにテレビ会議アプリSkypeが準備されたタブレット端末が並んでいる。授業開始前に予め複数の国の講師(※)と接続され、双方向でコミュニケーションできるように設定されており、2クラスで計8か国(アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、セルビア、フィリピン、ボスニア、マレーシア)の講師とコミュニケーションをとることができる。同校では全ての中1クラスで、Skype
を用いたこの「2時間1ユニット」の授業に取り組んでいる。

 

同志社中学校 授業風景
国と名前を聞き取れたかを確認した

生徒は、事前に作成していた質問により1ブースあたり3分間のインタビューを行った。国や文化の異なる講師に対して、最初は「名前」を尋ねる。言い方は自由で、「What's your name?」と聞く生徒もいれば、「Would you tell me your name?」と丁寧に聞く生徒もいた。アメリカ英語やイギリス英語とは異なるグローバルな英語に戸惑いながらも何度も聞き返し理解しようとしていた。

すべてのインタビューが終了すると、授業者は国と名前などを質問。正しくリスニングができていたかを確認した。

1人の講師に焦点をあて、紹介文を作成する課題が与えられ、生徒はクラウドアプリ(ロイロノート・スクール)で課題を提出する。クラウドアプリは家庭からでも生徒用端末から利用ができる設定だ。(※)株式会社ベストティーチャーがコーディネート

複数の外国人講師で係わる時間を増やす

反田教諭は「1対18の授業では、単純計算でネイティブ教員と1人2分程度しか対話できない。1時間の中で、聞く・話す活動にもっと時間を割くことはできないか」と考え、この仕掛けを考えたという。複数の外国人講師とのやりとりで、1時間のうちに一人ひとりの「話す・聞く」活動を増やすことができる。同時に複数の国の方々と交流できる点もメリットだ。質問はそれぞれの生徒が考えることで、アクティブラーニングにもつながり、課題解決能力も身につけていくことができると話す。

外部企業やネイティブ教員など外部人材の活用を円滑に進めるために、授業準備は慎重に行った。グループ分けは教員が行い、スピーキングが苦手な生徒が偏らないように配慮。生徒が作成した質問も事前にチェックする。その上で、クラス全体が質問やアイディアを共有し、生徒が自主的に考えるようにした。また、質問の発音チェックができるアプリ(Speak it!やDragon Dictationなど)も紹介し、自主的な練習も促した。「まずは英語を話そうというモチベーションを高めさせる取組がとても大事」と反田教諭は語る。

ダイバーシティ(多様性)や多民族理解、そしてアクティブラーニングなどの新しい用語が教育に必要とされている中、同校の事例は他校にとっても参考になりそうだ。

<<前へ タブレット端末300台を一括管理

【2015年3月2日】

↑pagetop