東京都豊島区情報管理課長の高橋邦夫氏は、「庁内LANと校務LANの統合‐セキュリティ強化と集中管理による効率化」をテーマに、新しい校務支援システムの設置・運用方法について話した。豊島区では昨年10月から校務支援システムの整備を始め、今年4月から6月に構築。7月1日から運用を開始した。
これまで、区役所の庁内ネットワークと、学校の校務ネットワーク、児童・生徒が使用する教育用ネットワークは、別々に設置・管理されていた。豊島区は、区の情報管理課で校務ネットワークも管理できるように、また庁内LAN、校務LAN間の情報共有が行えるように、2つのネットワークを統合した。教員ユーザの管理も、既存のドメインで管理するのではなく、区職員の配下に設けた教員用ドメインで管理運用している。
具体的には、(1)情報ドメインのサブドメインとして校務ドメインを新規に構築して教職員アカウントを作成。(2)教員1人1メールアカウントを用意することで、情報伝達の確実化・効率化を図る。(3)従来、学校ごとに設置・管理されていたファイルサーバを情報管理課のデータセンターに統合、一元管理できるようにした。学校ごとにフォルダ分けしアクセス権を付与した。(4)インターネット接続環境を統合。校務LANのPCは庁内LANを介してインターネットを閲覧する。ただし、フィルタリングは校務LAN独自の規則で設定できるようにした。(5)校務系のPC900台及び情報系のPCを同一のSCCM(クライアント管理システム)で管理できるようにした。(6)庁内LAN同様、ネットワークを介して印刷できる環境を整備していく。
学習者用のPCについて、豊島区ではリース満了になったデスクトップPCを今年1月からタブレットPCに切り替えている。また、来年1月からは全小中学校の普通教室にタブレットPCを整備していく。
高橋氏は、今回はできなかった教育用ネットワークの統合も、教師・生徒情報の一元管理、PC管理の効率化、情報共有の向上を目的に、検討していきたいと述べた。
【2014年7月7日】
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