タブレット端末の教育活用

"スマイル学習"本格実施―佐賀県武雄市

東洋大・ICT教育研が検証

佐賀県武雄市と東洋大学は共同で、5月16日に「佐賀県武雄市スマイル学習の研修研究会」を東洋大・白山キャンパスにて開催した。同研究会は、東洋大学現代社会総合研究所・ICT教育研究グループの産学連携取り組みの一環。今年度より武雄市内の小学校でスタートしている「スマイル学習」(※)の効果について、武雄市と東洋大学が共同で検証作業を行う。

スマイル学習とは、武雄市が全ての児童に配布したタブレット端末を家庭に持ち帰り、動画による予習を終えてから、授業に臨む学習方法。学校では、話し合い中心の授業を展開する。これまで「反転授業」と呼んでいたが、現在は「スマイル学習」として取り組んでおり、同教委では本年4月より「スマイル課」も設置。スマイル学習によって、児童がより意欲的に授業に臨めること、教員が児童の実態を正確に把握して授業に臨めること、授業で児童に協働的な問題解決能力を育成できることが期待されている。

家庭での動画視聴時間は5〜7分間程度。その後、ワークシートで演習問題を解き、解答後にアンケートで感想を記入するまでが家庭学習で、かかる時間は10〜25分程度だという。対象科目は算数と理科。対象学年は、算数3〜6年生、理科4〜6年生。動画コンテンツ制作は、理科はニュートン、算数はワオコーポレーションが担当。学校ごとに担当を決めて教員と教材動画の絵コンテをやりとりしながら学期ごとに制作中だ。

授業のどこでどんな動画があれば、事前学習にふさわしいのかについて議論するにつれ、授業の見直しが図られるという効果も見られるという。

第1回の会合では、武雄市の浦郷究教育長や代田昭久教育監・武内小学校校長らが出席。

研究会の代表である松原聡経済学部教授(東洋大学)は、「日本初の取り組みということもあり、検証期間は定めずに実際の授業の様子を見ながら進めていく。研究会の成果が今後のICT教育の推進に繋がれば」と抱負を語った。研究会は今後も定期的に行われる。

※)Smile=SchoolMoviesInnovatetheLiveEducation‐classroom「教員の動画で教室の学びを革新する」意。

【2014年6月2日】

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