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平成23年度から、新学習指導要領による新版教科書の使用が開始する。それに伴い多くの会社から「指導者用デジタル教科書」が発行される。社団法人教科書協会では、デジタル教科書発行予定について、教科書会社全45社を対象に調査した(平成23年2月17日現在)。
それによると、平成23年度小学校「指導者用デジタル教科書」は、65・3%の32種類が発行を予定している。
最も多いのが算数と理科で、6社。次いで国語が5社。社会・生活は3社。書写、図工、家庭、保健体育は各2社。地図は1社だ。
ただし発行形態や価格、内容は様々だ。デジタル教科書として販売するもの、指導書の別冊として販売するもの、指導書に付録として添付する無料のものなどがある。
なお教材のネット配信については、各社体制を検討中であり、実施している場合もあるが、快適な使用のためには受け手である教育委員会または学校のインターネット基盤が強力であることが必要条件となる。今後ネットワーク構築の際には、これらコンテンツを各教室で快適に活用できることを視野に入れた設計が必要だ。
■中学校向では発行予定4割以上
平成24年度中学校指導者用デジタル教科書については、発行予定は44・3%、発行検討中は39・3%と高い割合。発行予定なしを決定しているところは16・4%と少ない。
平成24・25年度高校指導者用デジタル教科書の発行予定は、全種目中6・5%と少ないが、発行検討中は41・9%と多い。発行予定なしは51・6%。発行しない理由は、主にコスト面と著作権処理などだ。
■指導者用デジタル教科書について
「指導者用デジタル教科書」については、小学校が平成17年度から国語、中学校が平成18年度から国語、英語で各1社発行している。現時点では小学校国語が3000校程度、中学校国語・英語が900校程度導入済。なお、教科書準拠のデジタル教材は各社から発行されている。
「学習者用デジタル教科書」については、日本では現状存在していないが、現在、総務省「フューチャースクール推進事業」と文部科学省「学びのイノベーション事業」により、実証校小学校10校に国語(4・5年/各学年2単元分)、算数(4・5年/各学年4単元分)、外国語活動(5・6年/各学年4単元分)の学習者用デジタル教科書・教材を開発中。4月以降、実証研究が行われる。今後の学習者用デジタル教科書について教科書協会では、本事業の進捗次第であると考えている。
【2011年3月5日号】