最新IT教育―実践、成果を報告― | ICT|フィンランド教育 |
▲ 植草事務局長 |
学校法人植草学園では平成20年度の開学に合わせてグループウェア「U.navi」(サーバコミュニケーションズ)を大学、短大に導入した。グループウェア導入の経緯や、U.naviの特長である学校の特色に合わせた機能、3年目を迎えての導入効果について、学園事務局長・植草和典氏、発達支援教育学科・川口由起子氏に聞いた。
▲ケーターからもログインできる
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▲ 学校ニーズに合わせた
システムを提供する
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同学には大学、短大があり、それぞれ学部もある。「U.navi」では、属性を選びログインするため、自分に関係する情報のみが表示され、申請書や出張報告書などの提出書類も自分に関連するものをすぐに見つけることができる。既存の校務システムのアカウントも移し替え、現在はU.naviの一本化に向けて動いている。
学生用の機能ではバスの運行表や変更情報、休校情報、健康診断、呼び出し、行事連絡、履修届、求人情報を確認できる。
「U.navi」では教員MYページ機能があり、教員の研究内容の公開、スケジュール等が学生に情報提供されており、ゼミの選定に役立っている。一部の情報は来年からの大学情報公開にも合わせて、外部にも公開予定だ。
教職員も学生もすべての機能を携帯電話やiPhone、iPadなどからも見ることができる。
植草学園では介護や福祉、教育、保育、医療に貢献する人材を育てており、入学すると児童障害福祉専攻や地域介護福祉専攻、特別支援教育専攻などで教員免許などの資格を取得できる。
学校の特色から、各種福祉施設等からボランティア募集の情報が数多く入る。このボランティア情報も「U.navi」を通じてすぐに学生に提供される。卒業までにほぼすべての学生がボランティアに参加する。グループウェアを通じてボランティア情報を橋渡しすることで、就職、キャリア教育にも役立てている。
植草学園は文科省選定プログラムで、現在、学生支援推進プログラム「よりよい職種選択を支え正規職員就職率を高める体験学習の組織化」(平成21年〜22年度)に取り組んでいる。
学生は就職活動の時期になると各種実習が始まり、長い場合は最長2カ月近く学校を離れてしまうという。「U.navi」が導入されてからは、実習などで学校にいなくても学外から求人情報を携帯電話で確認できるため、学生たちからも好評だ。アクセス解析では学生からのアクセスのうち8割が携帯電話からとなっており、就職活動をする学年の学生は、日に何度も携帯電話から求人情報を確認している。就職が困難な時代になるべく早く準備を始めるためにも、学校側が求人情報を迅速に学生に提供することは重要だ。
ボランティア情報、求人情報ともに、日々情報更新されており、地域、種別での検索が可能だ。
「大学の特色がはっきりしているので、ボランティア情報や資格の情報専用の掲示板など、学校に合わせた機能が追加できた。非常に使いやすい」と川口氏は語る。
今後は、実習期間中の学習支援やゼミの学生と教員間、学生間でのコミュニケーションツールとしての機能を追加していく予定だ。
「幼児と児童の教育・保育のさらなる“質の向上”」、「障害や生活上・学習上の困難性のある幼児と児童に対する教育支援の充実」、また「幼児から高齢者までの運動障害に対するリハビリテーション医療の高度化」を教育の目標とし、子どもや高齢者一人ひとりの思いと必要性に応えられるプロフェッショナルの育成をめざしている。文科省選定プログラムは「障害に関する専門性を身につけた人材の養成」(平成19年〜21年度)学生支援推進プログラム「よりよい職種選択を支え正規職員就職率を高める体験学習の組織化」(平成21年〜22年度)
(株)サーバコミュニケーションズが提供する学校専用に開発されたグループウェア。学校からの要望に合わせた柔軟なカスタマイズが可能。学校からの要望で追加された機能は、U.naviを利用する学校とシェアすることができる。校務システムの情報をインポートする機能もあり、既存システムとの併用も可能となっている。問合せ=(株)サーバコミュニケーションズTel03・6240・1833 WEB http://unavi.jp/
【2010年9月4日号】