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スクールニューディール構想(ICT編)
 教育委員会の「誤解」「誤認」も明らかに

校種・規模でニーズに違い
  最新情報を知らない教育委員会も

 地上デジタルテレビの整備に667億円、学校用PC、校内LAN整備に1420億円、理科教育設備整備に200億円と、史上類を見ない補正予算。中でもデジタルテレビやLAN整備を含む「学校ICT環境整備」に関しては、額が大きく、提出期限も短く、様々な制約もある。中には「この時期を視聴覚ルネッサンスと呼び、もう一度、映像の視聴による視聴覚教育の原点を見つめ直す良い機会としたい」と積極的な教委はあるものの、対応に追われている教委も多い。「活用したいが補助裏が取れない」という声もある。

 文部科学省では5月中旬に全国で説明会を実施、そこでは多岐にわたる質問が出ている。大枠の変更はないとはいえ、細部の重要な変更も多い。中には補正活用の検討すらせず、説明会に不参加の教委もあり、このままでは予算が使われず終わってしまうことも危惧される。そこで教育家庭新聞社では、全国約1700の教育委員会に補正予算に関する緊急アンケートを実施。提出まで3日程度と短期間ながら、全国152の教育委員会から回答があった。(調査は5月25日集計分)

◇   ◇

本調査結果によると、「(積算額)25万円で買えるのは37〜42インチ程度」「デジタルテレビの補正対象は50インチ以上だけ」などの誤解をしている教委が多いことが改めて明らかになった。また、「周辺機器としての扱いにはなるが、なぜホワイトボードタイプの電子黒板やセンサー貼り付けのタイプも対象としていないのかわからない」など、補正予算の大枠について、様々な意見・要望を持っている教委も多い。

「誤解」「誤認」明らかに

 回答のあった教委のうち、今回の補正予算事業を何らかの形で活用したいと考えている教委は133件。そのうち、「良い機会なので整備したい」「異議なし」など補正予算について歓迎、文科省の示す基準内容(全教室デジタルテレビ設置、各校1台電子黒板機能付きデジタルテレビ設置)を検討あるいは概ね決定している教委は、52件。  

  その他の81教委は、「現場より、デジタルテレビをライブで視聴する機会は少ないとの意見があり、1教室1台は必要ない」「普段は前方窓側に置き、利用時に黒板前(前川中央)へ移動したいので、50インチより30インチ代を希望」「学校現場からはDVDプレーヤー等周辺機器を組み合わせたモニターとしての機能を求める声もある」「50インチのデジタルテレビは、現在の教室の規模からすると、大きすぎる」「50インチの電子黒板では、小さすぎる」「なぜホワイトボードタイプの電子黒板やセンサー貼り付けのタイプも対象としていないのか」など、活用の方向で検討しているものの、様々な疑問や要望を持っている。

 活用する予定はないという回答は10。「離島なので現在電波が入っていない」「国の示す環境は現実的ではない」「急に経済対策として予算措置されても現況調査を行う時間もないので、実施は難しい」など様々だ。また、宮崎県野尻町教委のように本年度から町内全小中学校の校内LANを統一、各教室に地上デジタル放送対応のプロジェクターを設置済のためICT環境整備事業での補正は不要との回答もあった。そのほか「まだ回答できない」「方針は未定」なども7件あった。

 以下に主な意見を掲載する。懸念されるのは、細部で誤解をしている教委が多い点だ。なお掲載許可頂いている教委以外は匿名記載。文章は意味を変えない程度に編集。

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【2009年06月06日号】


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