開会式の様子
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1日目は佐賀市文化会館で全体会が行われ、開会式、記念講演、基調講演、シンポジウムに多くの参加者が耳を傾けた。
開会式は、東日本大震災で被災した方々への黙祷で幕を開け、高木義明文部科学大臣からの「様々な健康課題や時代の要請に適切に対応するためには、学校保健活動の推進にあたり中核的な役割を果たす養護教諭が、学校内・学校外の連携を推進するコーディネーターとなって組織的な学校保健活動を推進することが重要となります」というメッセージを、スポーツ・青少年局スポーツ・青少年総括官の有松育子氏が代読。
続いて佐賀県教育委員会副教育長の中島秀明氏があいさつし、佐賀市副市長の御厨安守氏と佐賀県知事の古川康氏からは、来賓としてお祝いの言葉が述べられた。
また、養護教諭制度70周年を記念して、学校保健の普及と向上に尽力し、多大な功績をあげた養護教諭および養護教諭経験者256名が、学校保健功労者として文部科学大臣表彰を受けた。会場では受賞者全員の名前が読み上げられた後、その功績を讃えて盛大な拍手が送られ、代表者に有松氏から賞状を授与。 (記念講演、シンポジウムは、次号で紹介)
基調講演
子どもの心のケアの体制づくりと養護教諭の役割
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基調講演は、「子どもの心のケアの体制づくりと養護教諭の役割」について、文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課健康教育企画室健康教育調査官の岩崎信子氏が説明。
心の健康問題の対応における養護教諭の主な役割は「いじめや虐待の早期発見や早期対応」「受診の必要性の有無を判断して医療機関へつなぐこと」「学校内及び地域の医療機関等との連携におけるコーディネーターとしての役割」などが挙げられ、その役割を推進する上で重要なポイントは、「学級担任等と連携した組織的な健康観察、健康相談、保健指導を行うこと」「子どもの心身の健康状態を日頃から的確に把握し、問題の早期発見・早期対応に努めること」などだ。
災害や事件・事故発生時におけるストレス症状のある子どもへの対応は、基本的には平常時と同じだが、「健康観察によって速やかに子どもの異変に気づくこと」「早急な対応が必要かどうか、医療が必要かどうか」など問題の性質を見極め、必要に応じて保護者や主治医との連携を図り、組織的に支援にあたることが大事だという。
また、子どもは自分の状態を言葉でうまく表現できないので、災害後のストレス症状を、きめ細やかに観察する必要がある。身体的には「食欲の異常」「睡眠は取れているか」「下痢・便秘が続いていないか」など、心理的には「幼児返りが現れていないか」「攻撃的・乱暴になっていないか」といった点に気をつけて観察する必要があると説明した。
関連ニュース リンク
・全国養護教諭研究大会開催 記念講演・シンポジウム(110919)
【2011年8月22日号】