教育委員会対象セミナー・東京 ICT機器の整備計画/校務の情報化

教育委員会や学校の整備担当者を対象にした教育委員会対象セミナーが12月7日、東京都内で開催された。主催は教育家庭新聞社。今回で第27回となる本セミナーは、総合教育会議の影響か、首都圏を中心に全国の教育委員会からこれまで以上に多彩な部署の参加があった。2月は名古屋、3月は岡山で開催する。詳細日程は教育家庭新聞Webへ
詳細=www.kknews.co.jp/semireport

校務支援システム切り替え時の留意点 南魚沼市立六日町中学校・荻井憲二教諭

南魚沼市立六日町中学校・荻井憲二教諭
南魚沼市立
六日町中学校
荻井憲二教諭

柔軟性あるシステムを選ぶ

平成21年から校務支援システムを活用してきた新潟県・南魚沼市では、平成27年4月に職員用PC529台を更新するにあたり、同時に校務支援システムも更新。新たなシステムに切り替えた。

荻井憲二教諭は、教育委員会の諮問機関である情報化推進委員会の一員として教育現場の要望を自治体や企業に伝え、スムーズな導入を目指した。その経験から校務支援システムをリプレースする際の留意点を報告した。

それまで使っていた校務支援システムは平成30年でサポート終了の予定であった。期間途中のリプレースとなるため、今後5年間使用すると仮定し、Windows7が平成32年1月にサポート終了となるのでWindows8.1への対応を大前提とした。

校務支援システムの選定にあたっては「学校基本情報管理」「グループウェア機能の充実」「成績管理」「保健管理」「備品管理」「学校ホームページ(CMS)」「預かり金管理」の7つの機能と、さらに細かく12の項目を設定して比較。

最終的に「備品管理機能がある」「成績出力の帳票のカスタマイズが柔軟に対応できる」「トップページのレイアウトが容易に変更できる」「保健関係の帳票も柔軟に対応できる」の4点から、新たな校務支援ソフトとして「EDUCOMマネージャーC4th」の導入を決定した。

「切り替えにあたって避けたかったのが新しいインターフェイスに教員が慣れるまでの生産性の低下でした。そこで、ユーザー側に立った誘導が必要と考え、どのようなデータを旧システムから移行すべきか協議を重ね、最終的に拠点情報、教職員情報、児童生徒情報、文書を管理するための情報及び備品管理のデータを移行しました」と荻井教諭は語る。

当初は校務支援システムを使用する機会が少ない夏季休暇中の移行を考えていたが、年度途中での切り替えは現場が混乱する可能性があるとして4月1日からの本格運用を目指す。

それに先行する形で2月中旬から試験運用を開始。この試験運用期間中は旧システムと新システムを同時に運用。スムーズな移行に向けて、旧システムを使いながら少しずつ新システムに慣れていった。

従来の校務支援システムとは機能や名称が異なるため、ログイン後すぐに目的の機能を見つけられるように、導入直後はトップページのレイアウトを固定。旧システムの「予定表」「校内回覧板」が新システムでは「予定7Days」「会議室」になるため、変更点をトップページに赤字で表示するなどユーザーへの啓発に努めた。
担当者への研修もスムーズな運用のために必要だ。そこで、システム管理者への基本操作の研修を始め、事務担当職員や養護教諭への研修を実施。

また、新規職員や転入職員に向けた「南魚沼市教育情報ネットワーク 早わかりガイド」を作成。システムへのログイン方法や電子データの管理方法とともに校務支援システムの機能が記されたものだ。

これらの工夫や配慮により導入後1か月で、ほとんどの職員が新しい校務支援システムを使いこなせるようになった。

「どんなに良いシステムでも、導入して終わりではなく、各学校の実情に合わせてカスタマイズすることで、より便利になる。そうした対応が可能な柔軟性のあるソフトを選ぶことが大切」と語った。(講師=南魚沼市立六日町中学校・荻井憲二教諭)

【第26回教育委員会対象セミナー・東京:2015年12月7日】

【2016年1月1日】

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