昭和62年6月、柏市は全国に先駆け、小学校にPC室を開設し、リテラシーの育成や個別化を図るCALの実践から研究がスタートしました。最近では、タブレットPCを活用した協働学習にも取り組み始め、学習指導要領の変遷や機器の進化に伴う、時代の変化が強く感じられます。
ICT活用でこの四半世紀、柏が一貫して力を注いできたことは、分かる授業の実現です。「柏市学校教育指導の指針」には、確かな学力の育成に向けて、「ICTを効果的に活用した分かる授業の推進」が最重点に掲げられ、市内すべての学校に対して、具体策の作成を指示しています。
また、学力向上には日常的なICT活用が効果的であり、そのためには使いやすい環境整備が必要となります。小中すべての普通教室にプロジェクターを常設し、電子黒板やデジタル教科書の導入、校内無線LAN化を推進しているのは、その一環です。さらに、ICT教育支援員の配置も、平成11年度より15年間継続しています。
その結果、授業でのICT利用頻度が高まり、今年度約8割の児童生徒が「ICTを活用した授業は分かりやすいので好き」と回答しています。
今後も、長年の研究を踏まえ、ICTを活用した21世紀にふさわしい学びを創造すると共に、確かな学力の向上を図るための取り組みを着実に推進して参ります。
【2014年1月1日】
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