白井氏は、校務支援システムの整備は関係各課の協力体制が必要であり、円滑・効果的な運用の実現には研修の工夫が必要であると話す。インフラ整備は「学校施設課」、指導要録や出席簿などは「指導課」、各種研修や講座の実施は「教育センター」が担当、連携して進めたという。
浜松市では早期に「浜松市教育ネットワーク」を構築、教員1人1台のPC配備も完了。校務支援システムは平成20年度に評価運用、翌年度には導入を決定し、スクール・ニューディール政策による補正予算を活用して予算を確保した。
事前運用校の教員112名のうち91%が「使いやすい」と高評価であったこと、アフターケアの保障などから、スズキ校務の「名簿情報管理」「成績処理」「通知表作成」の3機能を市内市立小・中学校全156校に導入。22年4月からの円滑な活用を目指し、事前に全校2人の悉皆研修を行った。同時に校務支援システムに関する「Q&A掲示板」も設置。ところが運用開始直後の活用率は5割強程度であったことから、9月には希望研修を実施。「一度学んでもしばらく使わないと忘れてしまう。きめ細かい研修が必要」と話す。
23年度からは、教員の要望に応えて「出欠席情報管理」「指導要録作成」機能(中学校は24年から)を追加し、主幹教諭・教務主任を対象にした行政説明と全校悉皆研修、希望制で指導要録作成のための研修などを実施し、教員の不安の解消を図った。平日に開催した中学校教員対象の研修では、「大変良かった」「良かった」が100%という事後評価を得た。
希望制で年に1回実施している「校務活用研修」では、教員の要望を聞いて年度末にバージョンアップをするなどきめ細かく対応。小・中学校ともに「成績処理や要録作成が楽になった」と事務負担軽減を実感する声が多い。
「導入当初は名簿の整理や通知表の作成など何かと大変。しかし、2年、3年と軌道に乗ってくると、先生方にとって必要不可欠なものなる。事務職員も校務支援システムを活用したいという声もあり、今後も充実した研修を継続していきたい」と語った。
【2013年8月5日】
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