子どもを有害サイトから守る!!
       
教育マルチメディア新聞 座談会 2002年5月号掲載より

 各教室からインターネットにアクセスできるのは、もう間近。膨大な情報の収集とともに危惧されるのが、有害情報や思いがけないトラブルへの遭遇。
 「教育のIT化、IT教育を進めるうえで安全なネット環境構築は」と、Class de NetでWebフィルタリングサービスの提供をはじめた日立製作所。
 インターネットセキュリティの現状と学校での課題をテーマに、東野正明・株式会社日立製作所パートナーソリューション本部本部長、中山明・ネットスター株式会社常務取締役、網野順・トレンドマイクロ・株式会社プロダクトマネージャーに話を伺った。

東野正明
株式会社日立製作所パートナーソリューション本部本部長
中山明
ネットスター株式会社常務取締役
網野順
トレンドマイクロ・株式会社プロダクトマネージャー
東野正明氏

−現在のインターネット上での犯罪やウィルス被害などの現状を教えてください。

 網野 ウィルス被害の急増の背景には、ADSLをはじめとしたブロードバンドが急速に家庭に普及し、子どもさんや年配の方もインターネットに触れる機会が多くなったことがあげられます。これまでとは違いテクノロジーに明るくない方も情報の発信源としてインター
ネットを利用するようになり、最初に目にするのがウィルスではないでしょうか。
 先日見つかったウィルスでもメールがベースでしたが、nimdaやBadtranceなどメールを受信するだけでウィルスに感染することが問題になっています。能動的にインターネットへアクセスしなくても、被害を被る可能性が非常に強くなり関心が高まっているのが現状のようです。

 −子どもたちのネット被害も増えているようですね。
 網野 インターネット上では技術的な被害だけでなく、人間の行動も問題となるケースが出ています。例えば出会い系サイトに生徒が巻き込まれるなど、ウィルス被害とはまた別の、一歩発展した形での被害も今後の問題点です。

 
中山 フィルタリングというと、アダルトコンテンツをイメージされるでしょうが、有害なサイトは決してそればかりではありません。
 私たちが分類しているサイトの中には一見問題のないようなものでもテクニカル的なしかけを持ち何らかの問題を与えるサイトもあります。事実こういったサイトはどんどん増殖し形を変えていきます。
 これらの危険をどう止めるか、が教育の現場では大きな問題です。大人もひっかかるのですから、社会的経験の少ない子どもたちにとっては、危険を回避する事前のシステムが必要なのです。

 東野 セキュリティに関してはWebにアクセスすることで必ず出てくる問題です。私どもが学校へサービス提供しているASP(アプリケーションサービスプロバイダ)サービス「Class de Net」では、フィルタリングを含めWebの運営上必要なサービスをトータルで提供しています。
 ASPサービスのシステムは弊社のデータセンターで24時間体制で運営しており、学校側はインターネットに接続する環境さえあれば利用できます。
 具体的に従来の様に学校でシステムを導入して運営をする場合には・サーバやネットワークの施設・ソフトのインストールやバージョンアップ・データのバックアップなど、煩雑な作業がたくさんあります。
 また、システムにトラブルがあったときには授業に支障のないように迅速に対処もしなければなりません。
 先生は子どもに教えるのが本来の業務です。システムの維持・運営を任せていただくことで、ぜひいい教育をしていただきたいと考えているのです。

 −学校でのセキュリティをどのようにとらえたらいいとお考えになりますか。
 網野 企業であれば社会人が入っているということもあるし、ある程度のポリシーやルールを決めてインターネットを導入することができます。しかし学校は、誰がどう統制するのかが難しいと思っています。
 学校では、たとえば親御さんのカードでショッピングしてしまうこともできます。テクノロジー上さまざまなことができてしまう以上、システム的にどう制限するのか。人間の行動を以下に制御するかが難しいと思います。広義でのセキュリティを確保することの一つにフィルタリングがあると思います。

 中山 フィルタリングでみなさんのインターネット上での自由を奪うつもりはありません。私どもは基本的にはサイトを分類しているのです。
 セキュリティを導入する際、企業や学校・家庭などでインターネットをどう使うべきかを考え、それに見合ったフィルタリングをかけていくことが必要です。一定のルールの中でインターネットを使いやすくすることが大切なのです。
 
 

 中山 Webサイトを見ているうちに、いつのまにか本来の目的とはまったく違ったところに行くこともありえます。無垢な子どもが自分の興味に動かされて行ったところが有害サイトである可能性は十分にある。
 インターネットの利用にはルールづくりが重要です
中山明氏


−今年度からはインターネットも学校に整備され、調べ学習などで活用することが考えられます。
 東野 学校だけに限らず、セキュリティというのはいろいろなパターンがあると思います。
 メールなら正しく使うための指導を行う、あるいはある程度の制限をするなど、学校なりのルールが必要となります。
 もう一つは、外部からのアタックをどう防ぐか。ホームページは学校の顔ですし、改ざんされないようにしなければなりません。
 児童・生徒のインターネット上での活動をウォッチしてどのように対策を講じていくのか、インターネット上の被害から子どもを守るには日々の運用が重要となってくるのです。
 −学校でのインターネットセキュリティはどうあるべきとお考えですか?
 東野 教育の中で、子どもの興味をいかに引き出すかという素材の中に、たまたまインターネットがツールの一つとしてあるのだと考えます。
 教育上のツールを安全に使えるようなシステムがあると、教材としての利用価値がより高まるのではないでしょうか。

 
 中山 インターネットの世界は、黒か白かというものではありません。私たちが分類しているカテゴリーは30種類に上ります。その中でお客様が必要なものを選択していただくようになっています。データベースを完璧に分けることは困難ですが、ニーズに応じて自分の学校では何をとめたらいいのかを取捨選択するお手伝いはできると思います。
 米国などではインターネットでの調べ学習的なことを日本よりも先にやってきています。そこでは、決められたインターネット上の教材以外のものは使わないというルールを作っていることが多いようです。
 ただ、先ほどもおっしゃられていたように、先生方がPCを使うことに終始するのではなく、どんな指導を行うためにインターネットで何をしたいのか、といった提案がいただければ、その希望にあった協力ができると思います。

 網野 セキュリティはハード的な面とソフト的な面の両方の管理が必要です。先生本来の仕事ではない部分を、私たちがサービスを提供することで補えると考えます。
 東野 企業はインターネットを使っていかに速く情報を収集するかが重要ですが、学校はインターネットで情報を集め、学びに発展させていくのが本来の目的です。私どもでは授業の流れの中で、どうやってインターネットを活用していくか、またそれを実現するためのシステムやセキュリティについても提案できます。インターネットにアクセスすることが目的ではなく、インターネットを教育にいかに活用するかが重要であると考えています。

東野 セキュリティに関してはWebにアクセスすることで必ず出てくる問題です。私どもが学校へサービス提供しているASP(アプリケーションサービスプロバイダ)ービス「Class de Net」では、フィルタリングを含めWebの運営上必要なサービスをトータルで提供しています。

 ASPサービスのシステムは弊社のデータセンターで24時間体制で運営しており、学校側はインターネットに接続する環境さえあれば利用できます。
 具体的に従来の様に学校でシステムを導入して運営をする場合には・サーバやネットワークの施設・ソフトのインストールやバージョンアップ・データのバックアップなど、煩雑な作業がたくさんあります。
 また、システムにトラブルがあったときには授業に支障のないように迅速に対処もしなければなりません。
 先生は子どもに教えるのが本来の業務です。システムの維持・運営を任せていただくことで、ぜひいい教育をしていただきたいと考えているのです。


 −学校でのセキュリティをどのようにとらえたらいいとお考えになりますか。
 網野 企業であれば社会人が入っているということもあるし、ある程度のポリシーやルールを決めてインターネットを導入することができます。しかし学校は、誰がどう統制するのかが難しいと思っています。
 学校では、たとえば親御さんのカードでショッピングしてしまうこともできます。テクノロジー上さまざまなことができてしまう以上、システム的にどう制限するのか。人間の行動を以下に制御するかが難しいと思います。広義でのセキュリティを確保することの一つにフィルタリングがあると思います。

 中山 フィルタリングでみなさんのインターネット上での自由を奪うつもりはありません。私どもは基本的にはサイトを分類しているのです。
 セキュリティを導入する際、企業や学校・家庭などでインターネットをどう使うべきかを考え、それに見合ったフィルタリングをかけていくことが必要です。一定のルールの中でインターネットを使いやすくすることが大切なのです。
 Webサイトを見ているうちに、いつのまにか本来の目的とはまったく違ったところに行くこともありえます。無垢な子どもが自分の興味に動かされて行ったところが有害サイトである可能性は十分にある。
 インターネットの利用にはルールづくりが重要です。

 −今年度からはインターネットも学校に整備され、調べ学習などで活用することが考えられます。
 東野 学校だけに限らず、セキュリティというのはいろいろなパターンがあると思います。
 メールなら正しく使うための指導を行う、あるいはある程度の制限をするなど、学校なりのルールが必要となります。
 もう一つは、外部からのアタックをどう防ぐか。ホームページは学校の顔ですし、改ざんされないようにしなければなりません。
 児童・生徒のインターネット上での活動をウォッチしてどのように対策を講じていくのか、インターネット上の被害から子どもを守るには日々の運用が重要となってくるのです。

 −学校でのインターネットセキュリティはどうあるべきとお考えですか?
 東野 教育の中で、子どもの興味をいかに引き出すかという素材の中に、たまたまインターネットがツールの一つとしてあるのだと考えます。
 教育上のツールを安全に使えるようなシステムがあると、教材としての利用価値がより高まるのではないでしょうか。

 中山 インターネットの世界は、黒か白かというものではありません。私たちが分類しているカテゴリーは30種類に上ります。その中でお客様が必要なものを選択していただくようになっています。データベースを完璧に分けることは困難ですが、ニーズに応じて自分の学校では何をとめたらいいのかを取捨選択するお手伝いはできると思います。
 米国などではインターネットでの調べ学習的なことを日本よりも先にやってきています。そこでは、決められたインターネット上の教材以外のものは使わないというルールを作っていることが多いようです。
 ただ、先ほどもおっしゃられていたように、先生方がPCを使うことに終始するのではなく、どんな指導を行うためにインターネットで何をしたいのか、といった提案がいただければ、その希望にあった協力ができると思います。

 網野
 セキュリティはハード的な面とソフト的な面の両方の管理が必要です。先生本来の仕事ではない部分を、私たちがサービスを提供することで補えると考えます。

 東野 企業はインターネットを使っていかに速く情報を収集するかが重要ですが、学校はインターネットで情報を集め、学びに発展させていくのが本来の目的です。私どもでは授業の流れの中で、どうやってインターネットを活用していくか、またそれを実現するためのシステムやセキュリティについても提案できます。インターネットにアクセスすることが目的ではなく、インターネットを教育にいかに活用するかが重要であると考えています。