科学で世界とつながれ! 英語で科学の話聞く
外国先端研究者を学校に派遣
「遅くまで残って調べたことを英語でまとめている」「理系に進む生徒が増えました」 高校生にすばらしい影響を与え好評なのが、若手外国人研究者を学校に派遣し、英語で科学の話を語る「サイエンス・ダイアログ」である。世界各国から来日している約1600人の研究者(JSPSフェロー)に同プログラムへの参加を呼びかけることで実現している(登録者数296人)。
この研究者は「JSPSフェロー」と呼ばれ、独立行政法人日本学術振興会(以下、JSPS)が外国人特別研究員事業により、博士号取得後の外国人研究者に日本の大学、研究機関で研究するためのフェローシップを提供している研究者である。学校は天文や宇宙物理など希望する講演内容を書いて申し込む。
これまで46校、延べ133件の授業に150人の若手研究者が派遣された。授業を受けた生徒は延べ約8000人になる(平成20年3月末現在)。
講義は英語で行われる。同僚研究者による日本語の解説も入る。
静岡北高校で今年1月に行われたロシアの研究者の講義「宇宙生物学の実験材料としてのネムリユスリカ」に参加した51人の生徒アンケートによると、英語の理解度は「ほとんど理解できた」「おおむね理解できた」を合わせ30人で半数を超える。講義内容は「専門性が高く難解だった」と「ちょうど良かった」が24人ずつの同数で、「もっと専門的な講義も聞きたかった」生徒も3人いた。
群馬県立高崎高校で昨年11月、2日間早稲田大学本庄高等学院と合同で行われた5つの講義のうちの一つ、スウェーデンの研究者の講義に参加した生徒84人のアンケートでは「ほとんど」と「おおむね」合わせ英語を理解できた生徒は43人、講義内容について、「ちょうど良かった」は48人でいずれも5割以上になた。生徒は「専門分野をより深く知ることができためになった」と感想を書いた。
実施件数は2005年度24件、2006年度45件、2007年61件と増加。参加フェローの国籍は、ヨーロッパ60人、アジア50人、北米16人、ロシア&NIS7人等で、49か国に及ぶ。
学校がこのプログラムに参加する流れは、1、開催校がJSPSが開催校と実施調整、2、開催校とフェローで講義内容等の事前調整、3、JSPSへアンケート等報告書提出という手順。
電話03・3263・4098