高・大の接続で議論 国大協両者協議の場求める
〜中央教育審議会教育過程部会
文部科学省の中央教育審議会教育課程部会の10月、11月の審議の中で、高校と大学との接続、大学入試、大学教育のあり方についても審議が行われた。
まず、文科省の担当官が大学分科会の審議経過報告「学士課程教育の再構築に向けて」の概要について説明。
引き続き、委員による意見交換が行われた。
ある委員は大学入試のあり方について、「難関大学が高校教育に影響を与えている一方で、大学経営のためだけの入試をしている大学も影響を与えている。
学力検査を受けないで入れる大学が増え、高校教育が十分に行われていない現状がある」と入試改革が必要とする。
別のある委員は、「高大の本当の接続であれば、高校で一定程度の勉強をしていれば大学に入学できるようにすべき」と話す。
しかし、ある大学の当事者は、「入試改革をしようとすると、学部間の壁の問題にぶち当たる」と実情を話す。別の大学関係者は、「大学入試センター試験では、知識の活用や探求をみる問題が出されていない。大学入試センターでは、そうした問題を作成・検査するにはお金がかかるとして入れない」と批判する。
高校卒業者の51・2%が大学・短大に進学し、大学等への進学が広き門なる中で、大学卒業生全体の学力が低下しているという印象があり企業が望む能力とのミスマッチなどが指摘されている。こうした中、大学分科会の審議経過報告は、「21世紀型市民」の学習成果として、各専攻分野を通じて培うべき「学士力」の参考指針を示す。
また、教育課程部会の「審議のまとめ」公表後に行われた関係団体のヒアリングで、国立大学協会は「高校必修単位数の割合低下によりほとんどの大学で補習教育を実施しなければならない状況がある」と指摘した上で、「高校と大学の学士課程教育がリンクした教育ができるように」と、教育接続についての高大間の協議の場を切望した。