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青山学院大学 2学部1学科を新設
               問題解決を支え導く大学教育

青山学院大学学長 伊藤定良
伊藤理事の写真

伊藤定良(いとう・さだよし)
  東京大学文学部西洋史学科卒業。日本大学を経て、青山学院大学教授に。2007年12月16日、青山学院大学長となる。
  近代ヨーロッパにおける国民国家とナショナリズムの研究が専門で、2003年、『ドイツの長い一九世紀 ドイツ人・ポーランド人・ユダヤ人』で青山学院学術褒賞を受賞。


専門職大学院の開設など時代を先取りした改革を進める青山学院大学は、2008年4月に社会情報学部と総合文化政策学部、現代経済デザイン学科(経済学部)を開設する。大学全体の教育研究構想について、12月に学長に就任された伊藤定良氏に聞いた

 1982年に国際政治経済学部を設立して以来、2008年度に26年ぶりに総合文化政策学部と社会情報学部の2学部を新設します。この間、2003年から2005年度にかけて3つの専門職大学院を設置し、本学の姿がかなり変わってきています。社会的要請に応え改革の実をあげるためには、中身の充実が最大の課題であり、様々なところに気配りをし、いわば静かな改革をしていかなければならないと思っています。

社会、世界と連携

少子化、グローバル化の中で本学が21世紀にふさわしいキリスト教信仰に基づく大学であるためには、今後詰めていかなければならない検討事項がたくさんありますが、まずは教職員の総意を踏まえ、社会、世界と歩む大学作りをしていきたいと考えています。

 大学は今や社会や世界に開かれていなければなりません。本学では青山キャンパス、相模原キャンパスともそれぞれ地域交流を強めています。

 企業・団体の寄付によって運営される寄附講座の数も増え、さまざまな組織の責任を負っている多彩な人々に講師になってもらうなど社会との連携も強めています。

 組織的には、本学の社会連携機構をさらに活性化させ、社会との連携の幅を広げることが重要です。
世界との連携については、本学の卒業生は世界の諸地域で活躍している人が多く、そうした卒業生の知恵と経験を生かす仕組みを作りたいですね。また、教員の研究交流をはじめ、大学間交流、留学生の受入れ、職員の海外研修などに積極的に取組んでいきたい。

 「英語の青山」と言われ、学術交流を含めて国際交流は着実に進み、大学のサポートによって学生も世界各地に学びにいっています。ただ、外国人留学生はまだ不十分で、この点の強化は絶対必要です。また、研究の場として、大学院の整備もさらに進めていきたいと思っています。

問いからはじまる

本学は130余年にわたる歴史と伝統を持ち、「地の塩、世の光」という理念とともに、社会の課題を積極的に果たそうとする人材の育成、リベラルな校風の中での教育研究を行っています。

 私自身学生と接した経験から言えるのは、青学生≠ヘ真面目だということです。さまざまな問題をきちんと受け止め、それと正面から向き合って解決を模索していく、という真面目さがあり、教えていても非常にやりがいがあります。

 全学共通の教育システム「青山スタンダード」により基礎教養を培っていますが、その中の「フレッシャーズ・セミナー」は20人を限度とした少人数のゼミナールで学生に非常に人気が高く、今後一層充実させていきたいと思っています。

 私は日頃学生に、「どんな小さな疑問でもいいから、それを大事にしてほしい」と言っています。学生が、じっくり時間をかけて自分なりの答えを見出す手助けができるような教育が理想であり、少人数教育の良さの中で、学生一人ひとりの面倒を見ていきたいと考えています。

 「問いがすべてのはじまり」であるとも言えますが、その解決を手助けできる教育を実現したいと思います。
新設2学部は、文化の国内外への紹介と発信、情報を軸にした社会や組織のあり方の探求に大きな役割を果たすものと考えています。

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