体験学習にグットデザイン賞<東京都武蔵野市「セカンドスクール」>

小中で計12泊の宿泊学習
総合的で探求的な学びを推進

 東京都武蔵野市が20年に渡って行っている長期宿泊体験学習「セカンドスクール」が(公財)日本デザイン振興会が行う「2015年度グッドデザイン賞」を受賞した。

 「セカンドスクール」は、同市内の公立小中学校に在籍する小学4・5年生、中学1年生を対象にしているもの。平成7年に小学校、8年に中学校で開始され、延べ約3万人が体験。

 小4は2泊3日、小5は6泊7日、中1は4泊5日間で学期中に実施され、民宿やペンションへの分宿、農家民泊などでその宿のお父さん、お母さんと農作業をするなど交流を深めていく。

 普段の学校生活(ファーストスクール)では得にくい体験を通じて、「課題解決への意欲や態度」「豊かな人間関係」「自主性・協調性」「進んで他者と関わる力」などを培うことがねらい。

 教科学習ではなく、総合的で探究的な学習活動として位置づけられている。

 協力市町村は長野県飯山市、新潟県南魚沼市、群馬県片品村、山梨県富士河口湖町など12市町村にのぼり、行き先は学校の目的、前年度の状況などを鑑みて、教育委員会と相談しながら決定していく。

 グッドデザイン賞は1957年に経済産業省が創設したグッドデザイン商品選定制度が始まり。ここでいう「デザイン」とは、生活をより豊かにするための「終わりのない継続的な創造的思考活動」を定義し、「セカンドスクール」のように無形なものも対象だ。審査員からは、市の教育委員会として20年もの間、こうした取組を続けていることが評価された。

 ■1月29日報告会開催
 児童・生徒が発表

 2016年1月29日には武蔵野市立第一小学校で、「第10回むさしの教育フォーラム 小・中学校合同セカンドスクール報告会」が行われ、第一小学校・井之頭小学校、第一中学校の児童・生徒が、これまでの取組を発表する。

 

【2015年11月16日号】

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