新年度が始まり4月末頃から修学旅行シーズンに突入し、特に5月はハイシーズン。東京駅では修学旅行団体による出発式が行われ、子供達は修学旅行の意義を改めて噛みしめながら東京駅を笑顔で出発した。関東から関西や東北に今年度は1322校が旅立つ。
一生の宝物を得る旅に 関修委の計画輸送は787校に
東海道新幹線ホームでの出発式に 代表7校が参加 |
田無第四中の代表がJRへ感謝を述べる |
5月8日には、関東地区公立中学校修学旅行委員会((公財)全国修学旅行研究協会内)による、平成26年度の修学旅行専用電車の第1陣が東京駅を出発するにあたり、出発式が開催された。
この日は、7時47分ののぞみ号専用臨時列車に、茨城県2校、栃木県4校、千葉県3校の1214名が乗車。出発式には小山市立豊田中学校、同市立小山城南中学校、桜川市立岩瀬東中学校、結城市立結城東中学校、佐倉市立臼井中学校、習志野市立第七中学校、印西市立木刈中学校の7校の代表者と、東海旅客鉄道(株)(JR東海)の中田邦彦東京駅長らJR東海関係者が新幹線のホームに並んだ。
出発に先立ち、同委員会の塩田雅明運営委員長(宇都宮市立清原中学校長)は、「JR関係者をはじめ、修学旅行を支える様々な方にお集まりいただき感謝申し上げます。第1陣のみなさんおめでとう。一生の宝物になる修学旅行と信じております」と激励。
生徒代表の小山市立豊田中学校(池澤満校長)の田波賢太さんは、「私たちのために専用列車をご用意いただき、ありがとうございます。待ちに待ったこの日、一生心に残る思い出をたくさん作ってきたいと思います。JR東海の皆様に感謝し、車内では安全に利用させていただきたいと思っています」とあいさつした。
さらに、各校の代表生徒よりJR東海の代表者には感謝の花束が、JR東海からは代表生徒へ記念品が贈呈された。
関修委では本年度茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉の5県から関西方面に780校、東北・信越方面に7校の計画輸送を行う予定で、人数にして11万5913名だ。
"学び"と"触れ合い" 都内公立中535校が新幹線を利用
また、東京都中学校長会修学旅行対策委員会((公財)日本修学旅行協会内)は5月9日に関西方面、13日に東北方面の出発式を実施。13日の「東京都公立中学校東北方面修学旅行出発式」には、第一陣として西東京市立田無第四中学校(大野雅生校長)の3年生がJR東京駅に集合した。
出発式にあたり、同対策委員会の亀澤信一委員長(稲城市立稲城第二中学校校長)は、「東日本大震災の際には、JR各社の総力を結集して対応に当たっていただいたことを感謝します。おかげで安心して東北方面の修学旅行を実施できるようになりました」と感謝を述べた。
生徒代表の大島光太郎さんは「中学校生活最後となる校外学習を成功させたいと思います。"学ぼう 作ろう 触れ合おう"を修学旅行のスローガンに掲げていますが、奥州の歴史を学び、農家の方と触れ合い、良い思い出を作るといった意味が込められています。この目標を達成できるように3日間を過ごしたいと思います」とあいさつ。
東日本旅客鉄道(株)(JR東日本)東京駅の谷口善秀副駅長からは「東北の大地も緑に輝く時期となりました。農業を体験すると聞いていますが、良い思い出を作って元気に帰ってきてください。私たちも安全な旅を提供するように頑張って参ります」と旅の無事を祈る言葉が贈られた。
その後生徒らは、8時48分発のやまびこ43号で旅立った。
平成26年度は、都内公立中学校の5校667人が東北・上越新幹線を、530校7万4214人が東海道新幹線を利用して修学旅行を実施する。
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全修協、日修協の両団体は、時代に則した教育旅行のあり方を探るべく、夏にシンポジウムを開催する。
「感性をはぐくむ修学旅行」を主題に、学びの集大成を図る修学旅行について全修協提案、実践発表、講演が行われる。
同協会では「被災地復興への継続的支援」事業目標の一つに掲げていることから、実践発表では「被災地へ、そして被災地からの修学旅行」について紹介。発表者は、福岡県立修猷館高等学校前校長の中嶋利昭氏と愛媛県経済労働部しまのわ2014推進監の佐伯登志男氏。
▼開催日:7月29日▼会場:ホテルグランドヒル市ヶ谷▼時間:13時30分〜17時▼申込み:WebまたはFAX(7月15日締切※参加無料)
http://shugakuryoko.com/
「ふれあいと体験、教育旅行の質的転換を目指して」をテーマに、修学旅行シンポジウムから通算して30回目の記念シンポジウムが行われる。
パネルディスカッションには、都立武蔵村山高等学校長の川瀬徹氏、みやぎ教育旅行等コーディネート支援センターセンター長の佐藤一彦氏、島根県観光連盟教育旅行誘致コーディネーターの早川正樹氏らが登壇する。
▼開催日:8月26日▼会場:江戸東京博物館▼時間:13時〜17時▼申込み:FAXまたはEメール(8月5日締切※参加費2000円) http://jstb.or.jp/
【2014年6月16日号】